沖澤のどか&京響に度肝を抜かれた!
2023年9月24日、サントリーホール・大ホールで京都市交響楽団東京公演を聴いた。指揮は沖澤のどか。
沖澤のどかの演奏を聴いた多くの人が口をそろえてその素晴らしさをたたえていた。京都市交響楽団の評判も耳にしている。昨年、第九を聴きに京都まで出かけたほどだ。沖澤のどかと京響の演奏をぜひ聴きたいと思っていた。
素晴らしい、という以上の演奏だった。驚嘆した。
曲目は、前半にベートーヴェンの交響曲第4番。冒頭部分はふつうだと思ったが、音楽に活気が出るころから、胸のすくようなキレでぐんぐんとオーケストラを引っ張っていく。音の全てが生きているかのよう。しかも、きわめてしなやか。極端にリズムを動かしたり、何かを煽ったりしている様子はないのに音が表情を持ってくる。
第2楽章もオーケストラから美しい音を取り出して滑らかに音楽を進めていく。構成感もしっかりしている。そして第3楽章のスケルツォは躍動、そして第4楽章は自然に高揚していく。すごいと思った。感動した。
後半はコネソン作曲の管弦楽のための「コスミック・トリロジー」(日本初演)。もちろん初めて聴く曲で、作曲者についても全く知識はない。1970年生まれとのこと。たぶん調性のある音楽だと思う。まさに宇宙的。様々な音が蠢き、神秘で壮大な音による絵巻とでもいうか。3曲から成り、全部で40分を超す。現代曲にシンパシーを感じない私は途中、少し退屈したが、最後の「アレフ」は凄まじかった。巨大なエネルギーが発散される舞曲。ディオニュソスの祭とでも言えそう。すべての楽器がものすごいエネルギーとスピードで演奏し、それが全体を動かしていく。それをコントロールする指揮者もすごいが、オーケストラメンバーもい。度肝を抜かれた。
沖澤のどか、恐るべし!
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コメント
私もこの演奏会に行きました。樋口様のおっしゃる通り、沖澤のどかさんの実力に感嘆しました。沖澤さんは「女性」指揮者云々を通り越して、たんに指揮者として語られるべき人だと、感慨深く思いました。
だいぶ前ですが、シモーネ・ヤングがハンブルク歌劇場の音楽監督をしていたときに、ある公演でオーケストラの団員が遅れてピットに入ってきたことがあります。そのときヤングはその団員をかなり執拗に𠮟責していました。はじめはニヤニヤしていたその団員も、しだいに表情がこわばりました。他の団員も上目遣いでヤングを見ていました。
私は最前列の席でその様子を見ていました。なるほどヤングは男勝りのタイプだなと思いました。
一方、女性指揮者の中には、女性性を売り物にして、たとえば金ぴかのドレスで指揮台に立った人もいます。
沖澤さんは、男性以上に男性的なタイプでもなく、また女性性を売り物にするタイプでもなく、ありのままの自分で勝負する自然体の人のように見えます。
時代は進んでいると思いました。
投稿: Eno | 2023年9月26日 (火) 09時15分
とてもいい演奏だったと思います。
特にコネソンを聴いていたら、その音楽の見通しの良さと掌握力の自在さに、ペトレンコが日本でやった「ワルキューレ」を思い出してしまいました。
来月川崎でのストラヴィンスキーもおそらく素晴らしい演奏になると思います。
投稿: 会澤重倶 | 2023年9月26日 (火) 20時28分
Eno 様
コメント、ありがとうございます。ブログを大変興味深く読ませていただきました。私の方は、実は、コンサートの後、興奮冷めやらぬまま東京駅に直行し、仕事のために名古屋経由で岐阜に向かう途中で、タブレットを使ってブログの文章を書いたのでした。冷静さを欠いた文章になってしまったようで、少し反省しています。
それにしても、素晴らしい演奏でした。沖澤のどか、これからも聴きたいですね。
投稿: 樋口裕一 | 2023年9月27日 (水) 08時29分
会澤重倶 様
コメント、ありがとうございます。
来月の川崎でのコンサート、きっと素晴らしいでしょうね。ただ、残念ながら、私は別に大事な用があるために聴くことができません。次の機会を待つことにします。
投稿: 樋口裕一 | 2023年9月27日 (水) 08時31分