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ほのカルテット メンデルスゾーンに感動

 20231219日、サントリーホールブルーローズで、ほのカルテットのコンサートを聴いた。大阪国際室内楽コンクール2023弦楽四重奏部門第2位記念とのこと。おそらく全員が20代の若い奏者たち。曲目は前半にハイドンの弦楽四重奏曲変ホ長調「冗談」とベートーヴェンの弦楽四重奏曲第12番、後半にメンデルスゾーンの弦楽四重奏曲第4番。とても良かった。4人のトークも入ったが、関西系の人が多いせいか、しゃべりがうまい! 楽しかった。

 ハイドンは素晴らしかった。「冗談」の曲だが、だからと言って、もちろん大袈裟に冗談っぽさを描き出すわけではないのに、しっかりとハイドンらしい余裕が聴こえる。明快な音で、生き生きとして、音の絡み合いがとても爽快。音程がよくシャープな音だが、エベーヌ弦楽四重奏団やベルチャ弦楽四重奏団ほどには切れの良いシャープな音ではなく、温かみというのか、ちょっと余裕のようなものがある。

 次のベートーヴェンは、実をいうと、ちょっと持て余しているように聞こえた。若々しくエネルギッシュなのはいいのだが、そして、実際に第3・4楽章のアクセント付け方など素晴らしいと思ったのだが、時に妙に力が入って空回りして、いびつになっているところを感じた。まだ若すぎて、ベートーヴェンの後期の境地を演奏するのは早すぎるのではないかと思った。

 メンデルスゾーンは素晴らしかった。このような演奏を聴けば、「メンデルスゾーンは底が浅い」などという人はいなくなるのではないかと思った。メンデルスゾーンの心の痛みをたたきつけるような音楽、しかも構成がきっちりして緊迫感にあふれている。それをこの弦楽四重奏団が余すところなく演奏する。第3楽章はこの上なくしみじみと美しく、第4楽章は高揚にしていった。感動した。素晴らしいカルテットだ!

 アンコールはエベーヌ弦楽四重奏団編曲の映画「パルプフィクション」より「Misirlou」と「津軽海峡冬景色」。とても刺激的な編曲。楽しめた。

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