芸劇ブランチコンサート ブラームスのピアノ四重奏曲を堪能
2023年12月20日、東京芸術劇場コンサートホールで芸劇ブランチコンサート「これがドイツロマン派」を聴いた。曲目は、最初に小林壱成(ヴァイオリン)と清水和音(ピアノ)でシューベルトのソナチネ第2番、次に鈴木康浩(ヴィオラ)と清水でシューマンの「アダージョとアレグロ」、最後に辻本玲(チェロ)が加わってブラームスのピアノ四重奏曲第3番。
曲のせいなのか、最初の曲は少々退屈に感じた(私はそもそもシューベルトの室内楽曲を全般的に退屈に感じる)。ヴァイオリンとピアノも少しちぐはぐさが残っているような気がした。
シューマンの曲はとても良かった。あふれ出すロマンティックな気持ちが伝わってきた。鈴木のヴィオラの音もくっきりして芯があって、さすがだと思った。
最後のブラームスは素晴らしかった。この四人は、全員が室内楽の名手たちではあるとはいえ、ふだんから常に一緒に演奏しているのではないと思うのだが、ぴたりと息があって、緊密なブラームスの世界を作り出した。ブラームスの室内楽の醍醐味がとてもよくわかる演奏だった。楽器の音の連なり、受け渡しが緻密に行われ、そうしながら徐々に盛り上がっていく。
トークで、清水さんが特に「第四楽章が難しい」と強調されておられた。第1番のように、長調になって華々しくなる前に終わることを指しておられるのだと思うが、きっとこの清水さんの言葉は「華々しく終わることを期待しないで、心して聴けよ」というアドバイスだったのだろう。なるほど、これもブラームスらしい終わり方だと思う。あくまでも内省的で抑制的。爆発しないまま心の中でぐっと抑えて終わりになる。素晴らしかった。
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