ソヒエフ&N響のラヴェル 「マ・メール・ロワ」にうっとりした
2024年1月14日、NHKホールでNHK交響楽団定期公演を聴いた。指揮はトゥガン・ソヒエフ。曲目は前半にビゼー(シチェドリン編)のバレエ音楽「カルメン組曲」、後半にラヴェルの組曲「マ・メール・ロワ」と「ラ・ヴァルス」
シチェドリン編曲の「カルメン組曲」は実演で初めて聴いた。「アルルの女」の「ファランドール」も含まれると、基本的には「カルメン」のメロディを使って自由に遊んだといった雰囲気の曲。弦楽器と打楽器による曲で、笑い出したくなるようなところもたくさんある。エスプリの利いたパロディというか。とてもおもしろかったし、N響の実力のほどもよくわかったが、まあそれだけの曲だと思った。
ラヴェルの2曲はとても良かった。「マ・メール・ロワ」は管楽器が丁寧に美しい音で奏でられ、静謐で古風でちょっとユーモラスで親しみにあふれた世界を作り出す。まさにチャーミング。ソヒエフは繊細に、しかし、構築的に音楽を進めていく。オーケストラの盛り上がりも美しい。うっとした。
「ラ・ヴァルス」も音が見事に流動する。ラヴェルの曲の中で、私はこれが最も好きだ。この曲を聴くと、色彩的な龍がオーケストラの中から形をとり、動き出し、生命をもって動き回っていくかのように感じる。まさに舞台を動き回っているような錯覚を覚えることがある。一つ一つのうろこがそれぞれ微妙に色が異なっており、それが光にあたって反射しながらも動いていく。ただ、とてもいい演奏だとは思いながらも、2011年のザルツブルク音楽祭で聴いたヤンソンス指揮、ウィーンフィルほどの感動は与えられなかったが、それは致し方ないだろう。
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