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新鋭とベテランのブラームスのピアノ五重奏曲に感動

 202427日、東京芸術劇場で、芸劇ブランチコンサート〜清水和音の名曲ラウンジ〜を聴いた。「新鋭とベテラン」というタイトルで、まだ桐朋音大在学中のヴァイオリニスト石川未央とベテランたちの演奏。曲目は、前半に石川と清水和音(ピアノ)でクライスラーの「美しきロスマリン」「愛の悲しみ」「愛の喜び」。とても率直なヴァイオリンだと思う。小手先の表現などなしにまっすぐに音楽をつくる。勢いがあってとてもいいし、そうであるがゆえにそこからチャーミングさが湧き出てくる。特に「愛の喜び」がよかった。沸き立つような音楽だった。この人はこのような若々しい表現を得意にするのかもしれない。

 後半は大江馨(第一ヴァイオリン)、佐々木亮(ヴィオラ) 辻本玲(チェロ)が加わってブラームスのピアノ五重奏曲。これもとても良かった。

 清水のリーダーシップのおかげなのか、全体がしっかりとまとまっており、破綻なく、しかしけっして「安全運転」ではないエネルギーにあふれた世界が広がっていく。あまり大袈裟な表現はないが、かっちりした構成の中で強くて深い音で音楽が作られるので、情感にあふれ、力が迸る。第2楽章については、実はちょっとリリシズムに欠けるかなと思った。もう少し濃厚な表現をしてもいいのではないかと思った。だが、第3楽章のジプシー的な音楽の躍動感、そして最終楽章の高揚は素晴らしかった。ブラームスの室内楽は楽器がきっちりと重なり合い、伝えあって本当に緊密。それを5人の演奏家が見事に再現してくれた。力のある5人が集まると、これほどまでに勢いがあってまとまりのある深い世界を作り出せるのかと改めて驚く。感動した。

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