山田&ラムスマ&読響 すべて良かったが、特にイザイのアンコールとフランクの交響曲に興奮
2024年2月13日、サントリーホールで読売日本交響楽団第670回名曲シリーズを聴いた。指揮は山田和樹。曲目は、前半にリヒャルト・シュトラウスの交響詩「ドン・ファン」、シモーネ・ラムスマのヴァイオリンが加わってブルッフのヴァイオリン協奏曲第1番、後半にフランクの交響曲ニ短調。素晴らしい演奏だった。興奮した。
まず、「ドン・ファン」の語り口のうまさに驚嘆。とてもおもしろく、楽しく音楽を展開し、ここぞというところで華やかな音を響き渡らせる。飽きさせず、華美になりすぎず、しかし華やかでダイナミック。指揮も見事、オーケストラもさすが。
ラムスマの加わる協奏曲もよかった。小細工のないスケールの大きなヴァイオリンの音。完璧な音程で凛とした音楽を作っていく。初めからロマンティックな感情を前面に出すのではなく、慌てずに徐々に盛り上げて、第2楽章、第3楽章と徐々にロマンティックな感情を盛り上げていく。そして、激しく高揚していく。オーケストラも見事につけて本当に素晴らしかった。
ヴァイオリンのアンコールはイザイの無伴奏ソナタ第2番の第4楽章。「怒りの日」のメロディが繰り返し出てくる曲。これはことのほかすごかった! 音程のよいスケールの大きな音で、時にかすかに、時にがなり立てるように死の音が響く。不気味であると同時に、いかにも人間臭い。感動した。
後半のフランクの交響曲も素晴らしかった。きっとこの曲は楽器のバランスが難しいのだと思う。華やかになりすぎるとフランク特有の深みがなくなってしまう。だが、渋くなりすぎてブラームスのようになると、色彩的な魅力が薄れてしまう。華やかで色彩的でロマンティックで、しかも深い人生観のようなものが刻み込まれている。そんな音楽を山田和樹は見事に再現してくれた。オーケストラも実に見事。イングリッシュ・ホルンもとても美しかった。私は第一楽章後半と最終楽章後半で感動に魂が震えた。恍惚としたといってもいいかもしれない。
すべての曲に満足。実は久しぶりに山田和樹の指揮を聴いたが、やはり素晴らしい。もっと聴きたくなった。
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