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文楽「艶容女舞衣」、そして小澤征爾さんの訃報!

 2024年2月9日、日本青年館ホールで文楽公演をみた。

 第一部は、「二人三番叟」と「仮名手本忠臣蔵」の山崎街道出合いの段、二つ玉の段、 身売りの段、早野勘平腹切の段。第二部は、「艶容女舞衣(はですがたおんなまいぎぬ)」の酒屋の段と「戻駕色相肩(もどりかごいろにあいかた)」の廓噺の段。

 まったくの初心者なので、文楽について何かを語る資格はない。やっと太夫の語りを聞き分けられるようになり、好きな太夫とそうでもない太夫ができてきた。三味線については、ちょっとだけ違いがわかるようになってきたが、それだけ。人形遣いについては、すべての動きのあまりの巧みさに驚嘆しているだけで、その巧拙についてはまったくわからない。

「仮名手本忠臣蔵」のお軽と勘平の話はとてもよくできていて、とても感動的だと思うのだが、私はそれよりも「艶容女舞衣」のほうがずっと好きだ。恋に溺れた一人の男のために、周り中が不幸になっていくが、すべての登場人物が善人で、他人への思いやりを持っているためにあえて冷たく当たったり、意地を張ったりしながら、何とか不幸を受け止めようとする。その健気さに感動する。竹本三輪太郎と鶴澤清友、竹本錣太夫と竹澤宗助、豊竹呂勢太夫と鶴澤清治のそれぞれ語りと三味線はいずれも素晴らしかった。なお、「仮名手本忠臣蔵」の早野勘平腹きりの段の太夫は豊竹呂太夫だった。4月に豊竹若太夫を襲名することになっている。これが最後の呂太夫としての出演だろうと思う。さすがの語りだと思った。身売りの段の竹本織太夫もとても良かった。

 初心者ながら、文楽はとてもおもしろいと思う。もう少し見続けてみたい。

 なお、自宅に帰ってから、小澤征爾さんの死去のニュースを知った。新日フィルの演奏で昔何度か演奏を聴いた。松本まで出かけてサイトウキネンも聴いた。ブラームスの交響曲やベートーヴェンの第九、演奏会形式の「エレクトラ」などにとても感動したのを覚えている。もちろん、CDもかなり持っている。ただ実を言うと、後年の表面をきれいに磨き上げるような演奏はあまり好きではなかった。勢いがあって、少しの破綻があっても突き進むような、若いころの音楽づくりのほうが好きだった。とはいえ、日本のクラシック音楽のレベルの高さを世界に知らせ、多くの人の感動を与えてきた稀代の大指揮者だったのは間違いない。近年、タクトを触れない状況を伝え聞いていたので、からだがよくないのだとは思っていたが。合掌。

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