女流義太夫を楽しんだ
2024年2月18日、蕨市立文化ホールで、女流義太夫第21回公演をみた。
このところ、文楽に親しんでいる。ところが、国立劇場が休館中のため、なかなか機会がない。知人に女流義太夫の公演があり、人間国宝の三味線弾きが出演すると聞いて、足を運んでみた。
プログラムは、最初に、「妹背山婦女庭訓」の花渡しの段を、浄瑠璃・竹本綾一、三味線・鶴澤津賀寿(人間国宝)。確かに、三味線は素晴らしいと思った。これまで、DVDをみたり、東京の国立劇場や大阪の国立文楽劇場で公演をみたりしてきた。どれも素晴らしい上演で、太夫も三味線も人形遣いも素晴らしかった。だから、特に三味線に注目することはなかった。ところが、浄瑠璃が少し未熟なところに人間国宝の三味線が聴こえると、これは凄い! びしりと音が定まってドラマを推進していく。間の取り方も見事。音そのものもとても美しい。ほとんど初めて三味線の音の鮮烈さに心を奪われた。
竹本孝矢さんのレクチャーがあって、拍子木や文楽の段の初めの口上などについて説明があり、客を含めて口上の練習などをした。
後半のはじめは「絵本太功記」の妙心寺の段、浄瑠璃は竹本土佐子、三味線は鶴澤弥々。とても格調高い浄瑠璃と三味線だった。ただ浄瑠璃の声が小さかったがもう少し大きな声だったら、もっと心を動かされただろう。
最後に「仮名手本忠臣蔵」の道行旅路の嫁入の段。浄瑠璃は竹本越里・竹本京之助・竹本寿々女、三味線は鶴澤駒治・鶴澤津賀榮・鶴澤津賀佳。三味線については凄い迫力。浄瑠璃もよかったが、ただ西洋音楽になじんだ人間からすると、三人の声が協和音にならないところがあって気になった。
女流義太夫の実演を目にするのは初めての経験だった。文楽初心者なので右も左もわからないが、ともあれ楽しめた。
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