新国立劇場オペラ研修所修了公演「カルメル会修道女の対話」 感動した!
2024年3月3日、新国立劇場中劇場で、新国立劇場オペラ研修所修了公演、フランシス・プーランク作曲「カルメル会修道女の対話」をみた。感動した。
指揮はジョナサン・ストックハマー、演出・演技指導はシュテファン・グレーグラー。
抑えた、しかし真摯な表現が不可欠で、しかもフランス語の発音がしっかりしていなければこのオペラにならないので、楽しみにしながらも一抹の不安はあった。何しろ研修生で、このかなり難しいオペラをしっかりと演じることができるのだろうか。
が、実際にみて、とてもよかった。ブランシュの冨永春菜は、臆病さを克服してギロチンに立つ修道女をみごとに歌った。声の演技も見事。マダム・ド・クロワシーの前島眞奈美は初めのうちは音程が下がり気味だったが、すぐに持ち直して、後半見事に劇的に歌った。ダム・リドワーヌの大髙レナとマリー修道女長の大城みなみはともに誇り高い修道女を堂々と演じて素晴らしかった。コンスタンス修道女の渡邊美沙季もチャーミングで、みんなが同じ修道服を着て同じような態度でいる中で個性を目立たせてとてもよかった。
男性陣もよかった。ド・ラ・フォルス侯爵の佐藤克彦、騎士の城宏憲も見事。
ジョナサン・ストックハマーの指揮する東響フィルハーモニー交響楽団も大健闘。初めのうちはちょっと雑さを感じたが、すぐに精妙な音になって、第三幕は素晴らしかった。
簡素な舞台。きっとギロチンに変貌するんだろうなと思われる櫓が初めから舞台上にあるが、それが幕に応じて異なる役割を果たし、人物がとても整理されて登場する。すっきりしていてわかりやすい。
このオペラ、修道女ばかりが出て、人物の見分け、聴きわけが難しく、もう一つよくわからないところがある(昔々、フランス語の勉強をしていたころ、ベルナノスのこの原作をフランス語で読んで、あれこれと歴史的なことも調べた覚えがあるが、今ではすっかり忘れてしまった! 今度翻訳で読み返してみよう!)が、ともあれ、第三幕は心を揺さぶられる。そして、プーランクのオペラ作曲家としての手腕に圧倒される。ともあれ満足!
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- 新国立劇場「イタリアのトルコ人」 演出の工夫に感心!(2026.10.07)
- カルテット・アマービレ&今井信子のブラームスの感動!(2026.10.06)
- 濱田芳通&アントネッロの「マタイ受難曲」 ドラマティックな人間ドラマ・群衆ドラマ!(2026.10.04)
- オペラ映像「ラ・ボエーム」「ナブッコ」「ドン・パスクヮーレ」「ばらの騎士」(2026.09.24)
- サーナ・テクセレの「メサイア」 加耒徹は指揮者としても素晴らしかった!(2026.09.22)

コメント