葵トリオ ブラームスの第1番に感動
2024年3月19日、紀尾井レジデント・シリーズ I、葵トリオの演奏を聴いた。曲目は前半にクララ・シューマンのピアノ三重奏曲ト短調とロベルト・シューマンのピアノ三重奏曲第3番ト短調、後半にブラームスのピアノ三重奏曲第1番。
クララの曲は、美しい旋律にあふれている。クララの高貴な人格があらわれるような音楽だと思う。とりわけ、ヴァイオリンの小川響子が美しい旋律を際立たせてみごと。ただ、やはり夫ロベルトやブラームスのようには音楽が豊かに広がらずに、盛り上がっていかない傾向があるのは、致し方ないだろう。
その点ロベルトの曲は、いかにも彼らしくロマンティックで夢幻的。そして、悪く言えばやはり偏執的な気配が濃厚。葵トリオはシューマンのわかりにくさもそのままに激しく表現していく。旋律がくっきりと浮かび、和音が強く響く。それぞれの楽器が鮮明で生き生きとしている。そのために音楽が生きてくる。
後半のブラームスはとりわけ素晴らしかった。感動した。やはりブラームスの曲そのものが別格だと思う。きっと秋元孝介のピアノがリードしているのだろう。勢いがあり、ピアノがひっぱって音楽を推進していく。ピアノの音一つ一つが生命にあふれている。伊東裕のチェロも豊かに歌い、しっかりと下支えする。第1楽章、終楽章も勢いがあってよかったが、第3楽章のリリシズムも素晴らしかった。
アンコールのシューマンのピアノ三重奏曲第2番第3楽章もしっとりしたとても良い演奏。満足だった。
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