ヴァイグレのベートーヴェン交響曲第4番、そして新しい生活のこと
2024年4月26日、サントリーホールで読売日本交響楽団のコンサートを聴いた。指揮はセバスティアン・ヴァイグレ。曲目は前半にブラームスの「大学祝典序曲」と、ロザンネ・フィリッペンスが加わってコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲、後半にベートーヴェンの交響曲第4番。素晴らしい演奏だった。
かなり地味な演奏。こけおどしはなく、味付けも濃くない。ただ、しっかりと鳴らすべきところは鳴らし、要所要所で音楽を活発にして、生きた音楽を作り上げていく。
とは言いつつ、「大学祝典序曲」はちょっと私には燃焼不足だった。もうちょっと派手にやってくれていいのになあと思った。しなやかで、弦に勢いをつけ、構成を明確にした演奏だと思った。
コルンゴルトの協奏曲はとてもよかった。フィリッペンスは官能的すぎない、かなり清潔な音。ヴァイオリニストによってはもっとずっと甘く、エロティックなほどに演奏するが、節度をわきまえ、高貴なロマンを作り出す。まさにこの人の容姿そのままの演奏だと思った。こうすることで、ユダヤ人ということで辛苦をなめたコルンゴルトの叙情が伝わる。
ヴァイオリンのアンコールはエネスクのルーマニア民謡風の曲。超絶技巧でありながら田園風で、ユーモラス。それを実に清楚に演奏する。とても気持ちのよい演奏!
後半のベートーヴェンがことのほか素晴らしかった。これもまた外連味のない、オーソドックスな演奏だと思う。ただ音楽に静かな活気が漲っている。ちょっとした音楽の動きの中にわくわく感があり、それが実に論理的に展開されていく。焦らず慌てず、音楽が徐々にスケール感を増し、最後に大きく高揚する。ただし、あくまでも節度を守り、しなやかに抑制的に盛り上がる。これぞ名人の音楽。読響もヴァイグレの指揮を的確に理解して、要求通りの音を出しているのだと思う。しみじみと素晴らしいと思った。
なお、私の近況を報告する。家の建て替えのためにしばらく仮住まいで暮らしていたが、今月の22日に本来の住所に戻り、娘の家族と二世帯住宅での生活を始めた。仮住まいは山手線の駅から歩いて5分ほどで何においても便利だったが、私の住まいは多摩地区の駅から徒歩20分の郊外。娘の家族と顔を合わせて暮らすことができ、大きな音で音楽を聴けることはありがたい。ただ、本と音楽ソフトだけで300に近い段ボール箱を新しい家に運び込んだので、まだまだ整理が追い付かない。家の中に段ボール箱が散乱している。いったい、いつになったら落ち着いて日常生活が送れることやら!
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