レオンハルツベルガー 「ばらの騎士」オクタヴィアンのモノローグに感動
2024年5月23日、武蔵野市民文化会館小ホールでマヌエラ・レオンハルツベルガー(メゾ・ソプラノ)のリサイタルを聴いた。とてもよかった。
曲目は、前半にリスト、シューベルト、ドヴォルザークの歌曲、後半にオペラやオペレッタのアリア。声そのものがとても美しく、音程もよく、声量も豊か。この歌手、私は今回初めて名前を知ったが、素晴らしい歌手だと思う。ただ、まだちょっと若いというのか、味わいの深さがほんの少し足りない気がする。それぞれの作曲家の境地があまり伝わってこず、どうしても優等生的な歌い方になってしまっている。とりわけ、ドヴォルザークの「ジプシーの歌」でそれを感じた。かつて私が愛聴していたジェシー・ノーマンの歌と比べてあまりに淡白。まあ、もちろん、この若くて将来有望な歌手をノーマンと比べて高い要求をするのは酷というものだが。ただ、大歌手と比べたくなるほど、とても素晴らしい若手歌手だということは間違いない。
後半のオペラ、オペレッタもとても楽しかった。前半に比べてのびのびと楽しく歌っている感じ。「こうもり」の オルロフスキー侯爵のクープレも楽しかったし、「ばらの騎士」のオクタヴィアンのモノローグはとりわけ感動的だった。
アンコールはシューベルトの「音楽に寄す」とコルンゴルトの「幸せの願い」。これらもしっとりと歌ってとてもよかった。
ただ実は、みどり・オルトナーのピアノはちょっと丁寧さに欠ける気がした。もう少しデリケートであったらもっと感動しただろうと思った。楽しい音楽の時には盛り上がってよかったが、しっとりした音楽ではリリシズムが伝わってこなかった。
会場で十数年ぶりに、偶然、旧友と再会。旧交を温めた。
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