竹澤&津田のシュトラウスのソナタに感激
2024年5月15日、浜離宮朝日ホールで「浜離宮ランチタイムコンサート」を聴いた。演奏は竹澤恭子(ヴァイオリン)、ピアノ伴奏は津田裕也。曲目は、前半にモーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第25番ト長調とブラームスのヴァイオリン・ソナタ 第2番、後半にクララ.シューマンの3つのロマンスとリヒャルト・シュトラウスのヴァイオリン・ソナタ。
モーツァルトはのびやかで無理のない音楽づくり。モーツァルトらしい自然な美しさが広がった。ブラームスについては、竹澤さんご自身がトークで、「ブラームスが幸せだったころの作品」と語っていたわりには深みがあり、時に葛藤を感じさせる音楽。ただ、全体的には明るい音調でまとめてとても説得力ある音楽にしていた。
クララ作曲のロマンスもとてもロマンティックで魅力的。小曲に、クララの長所が特に現れるような気がする。竹澤さんの演奏もとてもよかった。
が、圧倒的に素晴らしかったのは、最後に演奏されたシュトラウスのソナタだ。一般には、若書きの、やっと大家の兆しが表れ始めた、肩に力の入った曲として扱われるが、どうしてどうして。竹澤は、まさに堂々たる作品として弾いた。まさしく壮麗。たった2台の楽器で大オーケストラのような効果を出し、単にこけおどしではなく、しっかりと中身のある音楽にして聞かせてくれる。後年のシュトラウスの傑作群にまったく引けを取らない。竹澤のヴァイオリンのテクニックも素晴らしいが、津田のピアノも負けていない。超絶技巧におぼれず、しっかりと構築し、最終楽章はスケール大きく大交響曲が終結するかのよう。
アンコールはロベルト・シューマンの3つのロマンスから、最も有名な第2曲。これもしっとりしていてとても良かった。
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