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イザイ協会「イザイとドビュッシー」 ドビュッシーの弦楽四重奏曲に感動!

 2024年5月30日、大田区民ホール・アプリコ大ホールで日本イザイ協会主催、「イザイとドビュッシー」を聴いた。出演は、戸田弥生(ヴァイオリン)、池田菊衛(ヴァイオリン)、磯村和英(ヴィオラ)、佐藤晴真(チェロ)、野原みどり(ピアノ)。イザイとドビュッシーの交流を中心にして、トークを交えながら演奏された。堪能した! 

 曲目は、前半にチェロとピアノにより、ドビュッシーの「美しい夕暮れ」(編曲:ハイフェッツ)とイザイの「ポエム・エレジアク」(クニャーゼフ編曲)。しっとりとしたとても良い演奏だったが、「ポエム・エレジアク」に関していうと、イザイはやっぱりヴァイオリンのほうがいいなと思った。会場にもよるのかもしれないが、チェロの音が埋もれてしまって引き立たない気がした。

 ピアノソロによる、ドビュッシーの「レントより遅く」と「喜びの島」。特に「喜びの島」に感動した。野原のピアノの音がとても美しい。美しいだけでなく、輝くようで強靭。しかも色彩的。ドビュッシーの香りにあふれている。

 その後、戸田のヴァイオリンが加わって、イザイの「2つのマズルカ」。たぶん、この曲を初めて聴いたと思うが、とてもよかった。ずっと名演奏家として活躍したためだろう、無伴奏ソナタもそうだが、イザイの作曲した曲には時代を超えた普遍性のようなものがある。そこに繊細だが深い思いのこもった音楽が沸き上がる。それを戸田のヴァイオリンが見事に音にしていく。野原のピアノもぴたりと合って素晴らしい。

 後半はまず、東京クヮルテットのメンバーだったお二人が加わって、ドビュッシーの「月の光」の弦楽四重奏版(編曲:森円花)。ベテランお二人の音を見事に生かした、とても魅力的な編曲だった。月の光が見える!!

 東京クヮルテットは、実は私は残念ながら、1980年代だったか90年代だったかに、2回しか実演を聴いていない。すでに創設メンバーではなかった。ベートーヴェンだったが、とても良い演奏で、日本人中心でこれほど高いレベルの室内楽が演奏されるようになったと感慨にふけった記憶がある。今では、外見はちょっとお年を召した気がしたが、演奏はまったく年齢は感じさせない。素晴らしかった。

 最後は、ドビュッシーの弦楽四重奏曲ト短調。これはすさまじい演奏だった。戸田の第一ヴァイオリンが全体を強くリードしていく。思いのこもった激しい演奏だが、けっして大袈裟に表現するわけではない。魂のこもった音を抑制的に演奏しているために、いっそう深みが出る。ふだんはとりとめがないという気がしてしまう第3楽章の深いリリシズムに感動した。最終楽章も大きく高揚。実はこの曲、私の好みの曲ではないのだが、これはすさまじい名曲だと初めて思った!

 日本イザイ協会の精力的な活動に脱帽。魅力的なプログラムを用意してくれることに感謝する。それにしても、知れば知るほどイザイは魅力的な音楽家だ。

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