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堤&小山のベートーヴェン  音楽が息をしている!

 202464日、サントリーホールブルーローズで、チェンバーミュージック・ガーデン、堤剛&小山実稚恵のベートーヴェンの作品選の2日目を聴いた、曲目はチェロ・ソナタ第4番、モーツァルトの『魔笛』より「恋人か女房か」による12の変奏曲、そして、チェロ・ソナタ第5番。

 小山さんとの共演が阿吽の呼吸であることを伝える堤さんの簡単なトークで始まった。ベートーヴェンの前期のチェロ作品を演奏した61日の演奏は本当に素晴らしかった。そして、今回も素晴らしかった。ただ、13時開始のせいか、第4番のはじめのうちはちょっと集中力が欠ける気がした。しかし、だんだんと熱が入って来て、第2楽章からは二人の息がぴたりと合って、初日の後半と同じようにいぶし銀の素晴らしい演奏が繰り広げられた。

 ソナタの間に演奏された「魔笛」の変奏曲もとてもチャーミングでよかった。ソナタでは味わえないような、そして、ベートーヴェン本人の作品では垣間見ることのできないような、屈託のない音楽。お二人の演奏も、そのようなベートーヴェンの境地を見事に描きでしていた。

 第5番のソナタもとても良い演奏だった。まさに晩年のベートーヴェンの境地。最終楽章のフーガはまるでジャズのように響き、そこに自由な高みが見えてくる。若い演奏家たちのようにシャカリキになるのではなく、まさに自然体の自由さ。音と音が自然に絡み合い、高みに上っていく。まさに阿吽の呼吸を楽しんでいる。音楽が息をしている!

 アンコールは、前回に続いて三善晃の歌曲。しっとりしてとてもよかった。

 先日、書いた通り、私のコンサート通いの出発点だった堤剛のベートーヴェンの全ソナタ演奏を聴くことができて、とても幸せだった。

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