ノット&東響のブルックナー7番 ちょっとマーラーっぽい?
2024年7月20日、サントリーホールで東京交響楽団定期演奏会を聴いた。指揮はジョナサン・ノット、曲目は前半にラヴェルの「クープランの墓」(管弦楽版)、広範にブルックナーの交響曲第7番(ノヴァーク版)。とてもいい演奏だった。
「クープランの墓」は、フランス音楽にしては硬質な音で、かなりてきぱきと音楽が展開していく。しかし、繊細にして緻密。これがノットと東響の音なのだろう。満足だった。
ノットのブルックナーの交響曲は評判が高いのはよく知っているが、私は初めて聴くと思う。ノットはマーラー指揮者という先入観があって、これまで敬遠してきた。が、そうもいっていられないので、これを機会に聴くことにした。
が、先入観かもしれないが、やはりかなりマーラー的だと思った。私はずぶの素人なので、どこがどうなのかまったくわからないのだが、私が50数年前から慣れ親しんできたクナッパーツブッシュやヨッフムやヴァントの演奏のような質実剛健にして重厚で立体的で宗教的な雰囲気が薄い。もっと軽みがあり、音が精妙。マーラーのように展開していく。マーラー好きにはいいのだろうが、私は大のマーラー嫌いなので、どうしても違和感を覚える。
それでも、やはりさすがの棒さばき。細かいミスは何度かあったようだが、オーケストラも精妙で力のある音を出し、ぐんぐんと高揚していく。私も第3楽章あたりからは気持ちが躍動していった。終楽章は感動。ただ、私の席のせいなのか、ティンパニの音があまりに大きく、特に第1楽章の最後の部分はほかの楽器がティンパニの音にかき消されていた。それはそれでとても迫力のあるティンパニではあったが。
ともあれ、マーラー臭いなあと思いながらも、最後にはしっかりと感動し、満足して帰ったのだった。
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コメント
樋口様もいらしてたんですね。私も行きました。ブルックナーはすごい音が鳴っているなとは思いましたが、すべてがあからさまで、ブルックナーらしく感じませんでした。終演後は大喝采でしたが、私は何か疎外感を味わいました。ドイツの森のような深々とした演奏はもう望めないのかと‥。
投稿: Eno | 2024年7月21日 (日) 15時03分
Eno 様
コメント、ありがとうございます。
ブログを読ませていただきました。Eno様のほうが私よりもずっと緻密な聴き方をしておられますが、私が感じたのとそっくり同じような印象を持たれたことを確認させていただきました。
私がマーラー的と表現したのは、まさにゲルマン性の欠如といえるようなものでした。昔のブルックナー演奏のようなドイツの深い森のような峻厳さがなく、内面的な歌が散文的に続いていく印象でした。
そして、予想通りの大喝采。私としては、かつてのような演奏を求めるほうが時代遅れなのだろうな、という思いを抱いたのでした。
投稿: 樋口裕一 | 2024年7月22日 (月) 09時09分