群響の家庭交響曲 健闘しているが、とりとめのなさを感じた
2024年7月28日、上田市のサントミューゼ大ホールで群馬交響楽団上田定期演奏会 -2024夏-を聴いた。ずっと昔から群馬交響楽団の噂は聞いていたが、実は今まで実演を聴いたことがなかった。前々から聴いてみたいと思っていた。その群響が飯森範親の指揮でコルンゴルトのヴァイオリン協奏曲とリヒャルト・シュトラウスの家庭交響曲を演奏するという。これは聴いてみないわけにはいかないと思って、機会を利用して上田まで出かけた。
初めてのホールだったが、音のまとまりもよく、地味な曲であるにもかかわらず、客もかなり入っており、このホールの活動ぶりに驚いた。良いコンサートをしばしば催しているのがポスターでもわかった。さすがの文化都市。
最初の曲は、モーツァルトの6つのドイツ舞曲。まずは腕試しといったところ。モーツァルトにしてはちょっと武骨な曲。田舎の踊りを思わせる。次に、マルク・ブシュコフのヴァイオリンが加わってコルンゴルトの協奏曲。ブシュコフは切れのある音程の良い音で繊細に演奏。飯森指揮のオーケストラは官能的で色彩的な音でそれを支えていく。とてもいい演奏なのだが、ブシュコフのヴァイオリンはちょっと真面目過ぎて表現の幅が狭いのを感じる。もっと手を変え品を変えて、オーケストラに負けずに官能的に演奏してほしいのだが、いつまでも優等生的。オーケストラも、官能的で色彩的だとはいえ、できればもっとしなやかで、もっと鮮明であってほしい。いわゆるヌケがよくない。
ソリストのアンコールはバッハの、確か無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第2番の「アンダンテ」。これも同じような印象だった。
家庭交響曲には、私は高校生のころから、クレメンス・クラウス指揮、ウィーンフィルのレコードでなじんでいたが、「英雄の生涯」や「ドン・キホーテ」などと違って、音楽を聴いても何が起こっているのかを捉えることができず、結局、「とりとめがない」という気がして好きになれなかった。今、実演を聴くと、もしかするとシュトラウスの音楽に納得できるかと期待した。
が、やっはりとりとめなかった。しかも、しばしば音が大きくなるが、どうも盛り上がらない。楽団員の健闘ぶりはわかるが、これも、ヌケがよくなく、音がときどき濁って重くなる。もちろん、時にシュトラウス特有の豪華で豊かな音色にうっとりすることはあったが、とりとめのなさを感じて、音楽に酔って高揚する気持ちにはならなかった。
上田でこのようなコンサートを楽しむことができてとてもうれしかったが、少し不満を抱いた。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- ハチャトゥリアン、ヴァルチュハ&読響 興奮した!(2026.09.15)
- ピノック&紀尾井室内管のドイツ・レクイエム よい演奏だが感動しなかった(2026.09.12)
- 飯田みち代のバロックの歌を堪能した!(2026.09.12)
- カルテット・エーレン 精妙なラヴェルに感動!(2026.09.07)
- 小堀勇介のロッシーニを堪能した!(2026.09.04)

コメント