清水和音&三浦文彰のベートーヴェン 美音だが、ちょっと上品すぎない?
2024年7月15日、サントリーホールで、清水和音、三浦文彰によるベートーヴェン ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏会第2回を聴いた。曲目はベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第3・6・7番。
清水人気なのか三浦人気なのか、今回もまた圧倒的に女性客が多い。このところ、そのような場面にしばしば遭遇する。
前半に第3番と第6番。第3番は、正直言ってあまりおもしろくなかった。さりげなく始まって、さりげなく終わってしまった。私の耳が慣れないせいか、初めのうちピアノの粒立ちが良くなく、きちんと音が聞こえなかった。二人とも自分勝手に演奏している感じで、かみ合わなさを感じた。第6番になってからは、息があってくるのを感じた。
三浦のヴァイオリンは研ぎすまされた美音。小細工はせず、誇張もせず、美しい音と正確な音符によって音楽を作っていこうということだろう。清水のピアノもそれに合わせて、むしろ淡々と音楽を進めていく。
後半の第7番も同じ雰囲気だった。気品にあふれ、自然に音楽が流れる。しかし、やはり私は少々不満だった。やはりベートーヴェンはもっと高揚するように作っているのではないか。二人の奏者が全力でぶつかり合うように、ベートーヴェンは作っているのではないか。今回の演奏はちょっとおとなしすぎ、上品すぎはしないか。これまで清水和音がピアノ伴奏をする室内楽演奏に私はたびたび感動してきたが、今回にかぎって私はまったく感動できなかった。
アンコールはポンセ作曲、ハイフェッツ編曲の「エストレリータ」。ベートーヴェンとは打って変わって、ちょっと官能的な曲。ただこれももう少し味をつけてもよいように思った。
きっと二人の奏者は意図的にこのような演奏にしているのだろうが、私としては音楽を聴くからにはもっと高揚したい。ベートーヴェンの激しい魂にじかに触れたい。その意味で少し不満の残るコンサートだった。
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