ヴィンツォー&読響のドヴォルザークに感動!
2024年7月13日、東京芸術劇場で読売日本交響楽団定期公演を聴いた。指揮はカタリーナ・ヴィンツォー(これまでウィンコールと表記されることが多かったと思う)、曲目は、前半にドヴォルザークの序曲「謝肉祭」と、マチュー・デュフォーのフルートと景山梨乃のハープが加わってモーツァルトのフルートとハープのための協奏曲、後半にドヴォルザークの交響曲第8番。ヴィンツォーの指揮は初めて聴いた。素晴らしいと思った。
メリハリのはっきりした推進力のある演奏だと思う。かなりフレーズごとの表情の違いを強調していくが、それぞれのフレーズの表情を見事に描き、力感にもあふれ、歌わせるメロディも美しく、しかもそれを立体的に組み立てていくので、とても自然に音楽が作られていく。指揮者の動きもわかりやすく、オーケストラは即座にタクトに反応する。それもまた心地よい。特に新しい解釈はないと思うが、とても説得力がある。興奮しながら聴いた。
「謝肉祭」は見事にオーケストラを掌握。鳴らせ方も見事。金管がもたつくところはあったが、ライブでは致し方ないだろう。モーツァルトの協奏曲は、ソリストをたててきれいな音で自然な音楽にしていた。デュフォーのフルートはとても高貴で美しい。ハープもきれいなのだが、ちょっと遠慮しているのか、私の席のせいなのか、フルートに比べて音が小さすぎる気がした。
ソリストのアンコールはグルックの「精霊の踊り」のフルートとハープ版。これも協奏曲と同じ印象だった。フルートは高貴な音、ハープもきれいな音なのだが、どうも同等に絡まない。私はあまり感動できなかった。
ドヴォルザークの交響曲第8番は正真正銘、素晴らしかった。この曲は、演奏によっては統一感が危うくなることがある。かなり演奏の難しい曲だと思う。だが、ヴィンツォーはしっかりと統一を作って破綻がない。要所要所で大きく盛り上げ、聴く者を感動に導く。第1楽章の熱気も素晴らしく、第3楽章のスラブ的な雰囲気も美しい。終楽章は親しみやすいメロディが変奏され大きく高揚する。みごと。読響もさすがというしかない。私は何度か深く感動に震えた。
次々と才能豊かな女性指揮者が出てくる。突然みんなが才能を開花したはずがないのだから、間違いなく、これまでこのような才能がありながら、それを発揮できる場が限られていたということだろう。こんな才能がこれまで埋もれてきたなんて、音楽界にとってどれほど大きな損失だったことか!
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