周防亮介のイザイ とてつもない演奏!
2024年8月8日、トッパンホールで周防亮介イザイ無伴奏ヴァイオリン・ソナタ全曲演奏を聴いた。素晴らしかった。感動した。第1番は少し硬かったが、第2番からは、すごいこと、すごいこと!
第1番の最初の音の激しさに驚いた。これまで聴いた周防の音から、もう少し線の細い美音を予想していた。だが、太くて激しい美音! 様々な感情をたたきつけるようだが、それがこの上なく美しい音で奏でられる! そうした美音でスケール大きく弾く。フレーズごとの雰囲気をそれほど大きく変えない。しかも、ものすごい緊張感! 一つ間違うと一本調子になってしまうような演奏だといってよいだろう。だが、フレーズごとに細かいニュアンスの違いと美音によって観客はぐいぐいと引き込まれる。
第2番の「怒りの日」の凄まじさに圧倒された。恐ろしい死の形相が現れる。それがさまざまに形を変え、沈潜していく。第3番のバラードも、美音による心の叫びにほかならない。低音も高音もフォルテもピアニシモも深みのある美しい音! しかも、テクニックも見事。それぞれの曲の最終部分の高揚も素晴らしい。あまりの高揚に叫びだしたくなる。
後半の第4・5・6番も、私には同じアプローチに思えた。フレーズによって雰囲気を大きく変えないのと同じように、ソナタのそれぞれの曲の雰囲気の違いもあまり変えていないように思えた。いずれも同じようなアプローチであるからこそ、求心的になり、すべての曲が同一方向を向いて、一つの世界を作り上げていく。
周防亮介。姿かたちの変容に驚いてきたが、その音楽性の飛躍にも驚いた。いつの間にかとてつもないヴァイオリニストになっていた!
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