ベルリンRIAS室内合唱団 バッハ一族のモテット 幸せな時間を過ごせた
2024年11月28日、神奈川県立音楽堂で開館70周年記念、音楽堂ヘリテージ・コンサート ベルリンRIAS室内合唱団“J.S.バッハとバッハ一族のモテット”を聴いた。
今回の公演については、今年の7月の吉田志門のリサイタルで知った。吉田さんの所属するベルリンRIAS室内合唱団が来日してバッハ家のモテットを歌うという。録音ではかなり聴いてきたはずだが、これまでベルリンRIAS室内合唱団の実演を聴いたことはなかった。これを機会に聴かずばなるまいと思った。
曲目は、ヨハン・クリストフ・バッハ「愛する主なる神よ」、ヨハン・ルートヴィヒ・バッハ「われらのこの世の家が壊れても」、ヨハン・バッハ「われらの生は影に過ぎず」、ヨハン・クリストフ・アルトニコル「いざ諸人よ、神に感謝せよ」、ヨハン・ミヒャエル・バッハ「主よ、あなたさえわがものなれば」。ヨハン・クリフトフ・バッハ「義しき人は、年若く死すとも」、ヨハン・セバスティアン・バッハ「イエスこそわが喜び」。指揮はジャスティン・ドイル。ポジティフオルガンは重岡麻衣、チェロは山根風仁。
素晴らしい合唱。音程がとてもよいために、音の響きが心地よい。まさに信仰心が静かに音として聴こえてくる。いや、それ以上に、まるで音が見えるよう。音が重なり、動き、流動していく。それがしっかりと聞こえてくる。
合うべきところは完璧に合っており、ところどころ、たとえば音の入りなどで少しだけずれが生じるが、それもまたとても人間的で美しい。機械的にそろっているのではなく、まさに人間たちが心を合わせて歌っている。ほとんどが、大バッハ以前のバッハ家の音楽家たちの曲なので、もちろん知らない曲なのだが、昔から知っている曲のような気がする。指揮も素晴らしい。静かで柔和で、しかも厳かなひと時!
最後の大バッハの曲は、なんとなく聞いたことがあるような気がした(私はバッハ愛好家ではないので、モテットはあまり聴いたことがない!)が、やはりほかのバッハ家の人とは一味違うと思った。もっとずっと重層的で奥深い。これも素晴らしい演奏!
アンコールには「朧月夜」(高野辰之作詞、岡野貞一作曲)が日本語で歌われた。さすが、発音を大事にするこの合唱団。日本語の発音も完璧! 編曲も見事。この曲がこんなに美しい曲だったとは! ソロを歌ったのはもちろん吉田志門。音程の良い美しい発音。素晴らしかった! なるほど、吉田さんはこの合唱団の中で鍛えられて、今のような際立った歌唱力を自分のものにしていったのだ!と納得。
幸せな時間を過ごすことができた。
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