アントネッロ公演ロ短調ミサ曲 興奮のバッハ!
2024年11月11日、東京オペラシティ コンサートホールで濱田芳通&アントネッロ第18回定期公演を聴いた。曲目は J.S.バッハのミサ曲ロ短調。
古楽アンサンブル・アントネッロについては以前から関心を持っていながらなかなか聴く機会がなかったのだが、先日、「リナルド」をみて、その実力のほどを知った。そのアントネッロがバッハのロ短調ミサを演奏するというのなら聴かないわけにはいかないと思って足を運んだ。
いやはや期待以上の充実! まずオーケストラが素晴らしい。一つ一つの音が美しく、快速の部分もまったく乱れない。音程もよく、音がしなやかで音そのものに表情がある。そして、合唱も全員がそろっている。堅さがなく、しなやかで音楽の喜びにあふれている。独唱者たちもみんなが素晴らしい。オーケストラと同じように、快速の部分でも声が躍動する。これほど充実した古楽アンサンブルは世界でもそれほど多くないのではないか。
そして、濱田芳通の指揮ぶりに圧倒された。まさに興奮のロ短調ミサだった。凄まじい躍動感! 音楽そのものの持つエネルギーが押し寄せ、音が重なり、命をもってかけまぐる。「ミサ曲」のわりにはあまりに若々しく、あまりに生きる喜びにあふれているが、このロ短調のミサ曲は、おそらくは信仰心を吐露する音楽というよりは、このような躍動の音楽ともいえるだろう。これがバッハなのかもしれないと思った。気難しいバッハよりも、このように躍動感にあふれる若々しいバッハのほうが、私は好きだ。
冒頭の「キリエ・エレイソン」も素晴らしかったが、グローリアの最後の合唱にはとりわけ興奮した。これぞポリフォニーの醍醐味。管弦楽と声の重なりが躍動する。そして、彌勒忠史の歌う「アニュス・デイ」も美しくしみじみしており、最後の合唱になって深い信仰の心が高らかに告げられる。
この人たちが「マタイ受難曲」を演奏したら、どうなるのだろう。これまで演奏したことがあるのだろうか。ぜひ「マタイ」を、そして、できれば「ヨハネ」も聴きたいと思った。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- 濱田芳通&アントネッロの「マタイ受難曲」 ドラマティックな人間ドラマ・群衆ドラマ!(2026.10.04)
- オペラ映像「ラ・ボエーム」「ナブッコ」「ドン・パスクヮーレ」「ばらの騎士」(2026.09.24)
- サーナ・テクセレの「メサイア」 加耒徹は指揮者としても素晴らしかった!(2026.09.22)
- ハチャトゥリアン、ヴァルチュハ&読響 興奮した!(2026.09.15)
- ピノック&紀尾井室内管のドイツ・レクイエム よい演奏だが感動しなかった(2026.09.12)

コメント