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ネマニャ&ドゥーブル・サンス 音が躍り、跳ねる!

 2025年1月25日、かつしかシンフォニーヒルズ、モーツァルトホールでネマニャ・ラドゥロヴィチ presents ドゥーブル・サンスを聴いた。

 ネマニャのヴァイオリンは2009年に初めて聴いて大感動して以来、追いかけている。彼が率いる弦楽グループ、ドゥーブル・サンスとの共演も何度か聴いた。いずれも素晴らしい演奏だった。今回も期待して出かけた。

 まず、ベートーヴェン(ラドゥロヴィチ編)のヴァイオリン・ソナタ第9番「クロイツェル」。ピアノのパートをドゥーブル・サンスが担当するものとばかり思っていたら、そうでもない。ヴァイオリン・パートはネマニャが担当していると思うのだが、ドゥーブル・サンスもまたヴァイオリン・パートを弾いている部分がある。どういう仕組みになっているのか? ただ、ピアノ伴奏と違って、同質の音の重なりなので、独特の魅力がある。まるで池の表面にさざ波が立つように音が連鎖し、変化していく。それが墨絵のような美しさを作り出す。それはそれで素晴らしい。柔らかくて初々しい魂の震えのようなものが伝わり、

 ネマニャの音はほかのヴァイオリンの音と明らかに違い、凛として気高く、さざ波の上に一筋の光がとおっているかのよう。

 とはいえ、やはり私としてはネマニャの音がほかのヴァイオリンに埋もれて明確に聞こえてこないことを少し残念に思った。オリジナル通り、ピアノとヴァイオリンのほうがベートーヴェンにふさわしい。

 休憩の後、バッハの「シャコンヌ」。私は何度かネマニャのシャコンヌを聴いている。魂を吸い取られるほど感動したことがある。が、今回は、実はちょっと残念だった。かつてのような近よれば切れるような殺気がない。かつては、ものすごい緊張感と躍動感があり、そこに研ぎ澄まされた音が縦横に走ったが、今回はもっと洗練され、もっと豊かになり、もっと余裕を持っている。それはそれで成長したということでもあると思うが、少し迫力をなくした感がある。私は以前の演奏のほうが好きだった!

 その後、バッハのヴァイオリン協奏曲ニ短調 BWV1052R(チェンバロ協奏曲のヴァイオリン版)。これもまたぴったりと息の合った演奏。この曲の演奏が最も音楽的に充実していると思った。徒にもりあげようとするのでなく、バッハ独特の深い呼吸の中で弦の音が動いていく。ドゥーブル・サンスもとても美しい音。まさに池のさざ波が美しく波立ち、揺らぎ、自然と一体となり、そこに魂が動いていく。

 アンコールはセドラー編曲による「アレクサンドル・シシッチへのオマージュ」、フリストフスキー「マケドニアの歌」、モンティ「チャルダーシュなど。シャープで躍動的なネマニャの音が躍り、跳ねる。最後には多くの客がスタンディングオベーション。

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