藤井一興のフォーレ 藤井さん、体調不良だが、素晴らしい音色
2025年1月8日、豊洲シビックセンターホールで、「天よりささやく万華鏡 ~フォーレの名曲の数々~ 藤井一興 フォーレ室内楽演奏会」を聴いた。
出演は、藤井一興を中心に、紫園香(フルート)、秦はるひ(ピアノ)、横坂源(チェロ)、浜匡子(ヴァイオリン)。
藤井さんがご病気だったとはまったく知らなかった。これまで藤井さんの演奏は何度か聴かせてもらったことがあり、フランス的な音に感銘を 受けてきた。今回もそれを期待して足を運んだのだったが、最初に登場なさったときの、元気のない表情とおぼつかない足取りに驚いた。
ただ、音を出すと、さすがにフォーレの音! 素晴らしい音色。しかし、残念ながら、「シシリエンヌ」op.7も「パヴァーヌ」op.50もフルートとかみ合わない。フルートの音も素晴らしいのだが、きっと藤井さんの体調がよくなくて、リハーサルを十分にしていないのだろう。
藤井さんがソロで弾く予定だった曲は、「演奏者の都合」ということで演奏されなかった。組曲「マスクとベルガマスク」 op.112では、藤井さんと秦さんのデュオ。FAZIOLIのピアノの明るい音色を見事に用いて、これはぴたりと合った。
後半は、藤井さんのソロで藤井一興作曲の「ピアノのためのモン・サン・ミシェル」。神秘的な短いピアノ曲。日本フォーレ協会委嘱作品ということで、確かにフォーレ的な音。
その後、横坂さんのチェロとピアノで「エレジー」 op.24.これは素晴らしかった。さすが藤井さん、だんだんと興が乗って来てフランス的な味わいがでてきた。
その後、ピアノ三重奏曲ニ短調。これはあまりリハーサルができていなかったようで、それぞれの楽器の音はきれいなのだが、ただ合わせているだけになってしまって、音楽の方向がはっきりしない。藤井さんがリードすべきなのだろうが、やはり体調がよくないのだろう。
最後に、フルートとピアノによって、幻想曲 op.79。これも、藤井さんが本調子でないのが残念。アンコールは、フルートとピアノによって「コンクール用小品」と「夢のあと」。
藤井さんの素晴らしい音色を聴くことができたのはうれしかったが、やはり体調不良のために、十分の準備ができていなかったらしいのがとても残念。ぜひとも元気な姿で最高のフォーレをまた聴かせていただきたいものだ。
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コメント
このコンサートの10日後に藤井さんが亡くなるなんて、信じられない気持ちでいっぱいです(-_-;)
投稿: 鈴木 | 2025年2月 6日 (木) 18時23分
鈴木 様
コメント、ありがとうございます。
体調がかなりお悪いことはすぐにわかりましたが、まさか10日後に亡くなるなんて、私も思ってもいませんでした。きっと強い思いでピアノを弾かれたのだと思います。確かに思いのこもった音でした!
投稿: 樋口裕一 | 2025年2月 7日 (金) 10時24分