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小川響子&秋元孝介 フランクのソナタ 思い切りがいいが、フランス的

 202536日(15時開演)、Hakuju HALLリクライニング・コンサートをきいた。出演は、小川響子(ヴァイオリン)と秋元孝介(ピアノ)。葵トリオの二人によるコンサートだ。曲目は、リクライニングを意識して、ミヨーの「春」、ラヴェルのヴァイオリンとピアノのためのソナタ(遺作)、メシアンの「主題と変奏」、フランクのピアノとヴァイオリンのためのソナタ。

 思いきりのよいヴァイオリン、溌剌として力強いピアノ。しかし、力で押しまくるのではなく、フランスの息遣いというのか、まさに鼻母音が聞こえてくるような趣がある。技術的なことはわからないが、少し音の強弱のニュアンスがベートーヴェンやメンデルスゾーンを演奏するときと異なっているような気がする。ちょっと肩透かしみたいな部分があるというか。そうしたところにフランス的な抒情を感じる。葵トリオで常に演奏している二人なので息もあっている。

 ミヨーの「春」、メシアンの「主題と変奏」、どちらも初めて聴いたが、初々しい思いにあふれた曲だと思った。ラヴァルのソナタもこの二人が演奏すると、くっきりして若々しい抒情が聞こえてきてとても魅力的。

 フランクのソナタは圧巻だった。まず冒頭のピアノのえもいわれぬ精妙にして美しい音に驚いた。そして、徐々に盛り上がり、スケールの大きなドラマになり、この曲らしい、熱い情熱がほとばしる。しかも、かなり若々しい。小川の思い切りのよいヴァイオリンの音が高揚し、爆発する。フランクの写真で見るような老人ではなく、かなり若い感性を持ったフランクだとでもいうか。しかし、若々しいとはいえ、この曲でも、一方的に押すのではなく、抑制され、フランス的な抑揚がある。

 アンコールはイザイの「子どもの夢」。これはぐっと抑制されて、静かな叙情。これもよかった。

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