金川&ゴールドシャイダー&グァレーラのホルン三重奏曲に興奮!
2025年3月25日、東京文化会館 小ホールで、金川真弓(ヴァイオリン)、ベン・ゴールドシャイダー(ホルン)、ジュゼッペ・グァレーラ(ピアノ)のコンサートを聴いた。曲目は、前半に、ヴィトマンの「エア」、ベートーヴェンのピアノ・ソナタ第26番「告別」、リゲティのホルン三重奏曲「ブラームスへのオマージュ」、後半にクルターグの「サイン、ゲームとメッセージ」より J.S.B.へのオマージュ、バッハの無伴奏ヴァイオリンのためのパルティータ 第3番よりルール、ブラームスのホルン三重奏曲。
「エア」は無伴奏のホルン曲。ピアノの屋根を挙げた状態で、ピアノに接近して演奏。一人の演奏のはずなのに、まさにやまびこのようにエコーになって音が重なる。そのほか、様々な奏法によって、様々な音が聞こえる。初心者の失敗のような音がしばしば鳴るが、きっとそれも楽譜通りなのだろう。時に和音のように音が重なる。最後は、モンゴルのホーミーのような音。ゴールドシャイダー(もしかして、20代? スーツをきちんと着こなした若者!)が声を出しながら吹いている? おもしろい曲だった。それにしても恐るべきゴールドシャイダーのテクニック!
「告別」は、まるで現代曲のような演奏。一つ一つの音の響きを大事にし、切れがよく、勢いがある。そして、これまたもの凄いテクニック。ただ、私としてはもう少しロマンティックとは言わないが、歌心のようなものがあってもいいのでは?とは思ったが、これがこの人の持ち味なのだろう。
リゲティのホルン三重奏曲もとても魅力的だった。特に第2楽章のリズミカルな躍動感に私は惹かれた。第4楽章も深みのある音楽。演奏も見事。
後半の二つの無伴奏ヴァイオリン曲は続けて演奏された。ピアノのグァレーラと同じようにかなり現代音楽的な音だが、もっと歌心がある。正確な音程、鋭さのある美音で歌心をもって演奏していると感じた。
ブラームスのホルン三重奏曲は圧巻だった。ピアノが現代音楽的だったので、近年、欧米の演奏家たちに多い、切れの良すぎるブラームスになりはしないと心配だったが、金川さんのヴァイオリンの力なのか、そうはならずにしっかりと歌心をもって、ブラームス特有の叙情を保った。しかし、全体的にとてもキレがよく、若々しく勢いがある。第2楽章と終楽章の勢いは特に素晴らしかった。ブラームス特有の抑制したリリシズムもあるが、そうした中から若い熱情がほとばしる。三つの楽器がぴたりと合って、緻密な世界を作り上げていく。ここでも音程のよいヴァイオリンとホルンが手を取り合って音楽を進めていく。興奮した。
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