紀尾井ホール室内管弦楽団 一筆書きのようなシューマン
2025年4月18日、東京春音楽祭の「こうもり」が終わったのは18時10分ころ。興奮も冷めない中、大慌てで上野から四谷に電車で移動。「こうもり」が終演予定時間よりも10分ほど早く終わったので助かった。余裕をもって紀尾井ホールに着くことができた。19時開始の紀尾井ホール室内管弦楽団 第142回定期演奏会を聴いた。
指揮はサッシャ・ゲッツェル。曲目は前半にハイドンの交響曲第39番、ツェムリンスキーのシンフォニエッタ、ベルクの7つの初期の歌、後半にシューマンの交響曲第4番(1941年初稿版)。
ゲッツェルの選んだ曲目らしいが、不思議な選曲。前半だけで1時間を超した。ハイドンの交響曲は余計だったのではないかと思ったのだったが、後半のシューマンを聴いて納得した。ゲッツェルはこの二つの交響曲を同じようなスタンスで演奏。まさに疾風怒濤。じっくりと構成を意識しながら・・・という演奏ではなく、一筆書きのように激しい勢いで演奏。こうして聴くと、シューマンの、オーケストレーションに少し難があって、あまりにモノフォニックな交響曲が、ハイドンの伝統に上にある勢いのある若々しい音楽であることがよくわかる。
ツェムリンスキーのシンフォニエッタ、ベルクの7つの初期の歌はまさに初期の若々しい音楽。ゲッツェルは若々しい勢いのある音楽を並べたということだろう。まさにマーラー以降、12音階に向かう直前の若者の音楽を聴くことができた。
千々岩英一をコンサートマスターとする紀尾井ホール室内管弦楽団は見事に指揮者の要求を満たしたといえるだろう。勢いのあるとてもいい演奏だった。
ベルクの歌曲を歌ったスヴェトリーナ・ストヤノヴァは今売り出し中の若い歌手で、ちょっと深みのある美声。ただ、私はちょっと音程が不安定な箇所があったような気がしたのだが、気のせいかもしれない。
とてもよい演奏だったが、正直言って、私の頭の中ではまだ「こうもり」が鳴っていた。「こうもり」の興奮が大きすぎて、ゲッツェルと紀尾井室内管弦楽団には申し訳ないことをしてしまったなあと思ったのだった。
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