ソアーレス&シティフィルの「新世界」 あまり満足できなかった
2025年5月10日、ティアラこうとうで東京シティ・フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会を聴いた。日本・ブラジル友好交流年(日・ブラジル外交関係樹立130周年)記念とのことで、指揮はブラジル出身のジョゼ・ソアーレス。曲目は前半にグアルニエリの「3つの舞曲」、外山雄三の「管弦楽のためのラプソディ」、ガーシュウィンの「ラプソディ・イン・ブルー」(ピアノは壷阪健登)、後半にドヴォルザークの交響曲第9番「新世界より」。
最初の2曲はブラジルと日本のそれぞれの舞曲紹介という感じの音楽。ともにリズムと色彩にあふれている。グアルニエリという作曲家は初めて知ったし、曲も初めて聴いたが、とても楽しめた。外山の曲は、初演直後くらいにテレビで聴き、実演でも一度聞いたことがある。これもとても面白い曲。ちょっとオーケストラは大雑把な感じがしたが、曲が曲だけにそれも魅力だろう。
「ラプソディ・イン・ブルー」にはあまり惹かれなかった。ガーシュイン独特の粋でしなやかで都会的な雰囲気を感じなかった。壷阪健登(つぼさか・けんと)というピアニストを初めて知った。ジャズピアニストとのこと。私にはよさがまったくわからなかったが、大喝采で人気があるようなので、きっと良いところがあるのだろう。指揮もピアノもオーケストラも、かなり平板に思えた。
後半の「新世界」はかなりの力演。ただ力演過ぎて、私はあまり引き込まれなかった。私の席のせいかもしれないが、トロンボーンが大きく響き、威勢のいい音楽になって、ドヴォルザークらしい心の奥にしみいる郷愁が欠けている気がした。スケールの大きな演奏とはいえるが、あまり細かいところに気を使わない大味な演奏ともいえる。第2楽章は雰囲気を作って悪くなかったが、第2楽章だけでなく、第1楽章も第3楽章も、やはり郷愁のようなしみじみとした感情がほしい。それがないと、第2楽章がとってつけたようになってしまう。
私にとっては心の底から満足できるコンサートではなかった。
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