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ヴァイグレ&読響の「オルガン付き」 音の万華鏡に興奮!

 2025628日、東京オペラシティコンサートホールで読売日本交響楽団の土曜マチネーシリーズを聴いた。指揮はセバスティアン・ヴァイグレ、曲目は前半にロッシーニの「ウィリアム・テル」序曲とトランペットの児玉隼人が加わって、ヴァインベルクのトランペット協奏曲変ロ長調、後半にサン=サーンスの交響曲第3番「オルガン付き」。石上真由子がゲストコンサートマスター。

「ウィリアム・テル」序曲はしなやかで繊細な音で始まり、「嵐」の場面や行進曲の場面ではスケールが大きくなって、とても見事な演奏だった。もともと10数分の短いながら交響曲のような趣を持っている曲だが、ヴァイグレが指揮すると、いっそうスケール感が高まる。微細なところまで完璧にコントロールされた、美しくも堂々たる演奏だった。読響の音も躍動感があってとてもいい。

 ヴァインベルクの協奏曲は初めて聴いたが、とてもおもしろかった。特に第3楽章では聞き覚えのあるメロディが出現。まさにコラージュの音楽。それにしても、ソロの児玉隼人はなんと16歳だという。信じられないようなトランペットのテクニック! トランペットのテクニックについて、私はまったく知らないが、へえ、トランペットでこんな音が出るんだ!と舌を巻きながら聴くばかりだった。強い音も弱い音も見事にコントロールされ、音が表情を持ち、切れがいい。凄い。

 が、なんといっても、サン=サーンスの交響曲第3番に圧倒された。豪華絢爛、色彩にあふれ、繊細にしてスケールが大きい。私はこの曲を聴くと、まさに「音の万華鏡」といった感想を抱く。様々な色の楽器が微妙に色を変えながら大きく動き回る。次から次へと壮大な色模様が変化して、花火のような世界になっていく。しかも、そこにブルックナーの交響曲にも似た法悦が生まれる。それをヴァイグレと読響、そしてオルガンの大木麻里がこの上ない形で展開していった。

 一分の隙もなく構成され、しかも自由で奔放な感じを与える。実は私はこれまで、第一部の後半については少し退屈だと思っていたのだったが、今日は、あまりの美しさに魂が震えた。弦のかすかなピチカートに乗ってたゆたう弦楽器のメロディはまさに天上の音楽に思えた。終楽章は興奮の連続。色彩が大きく流動し、広がり、爆発していく。読響の力量にも感嘆! 様々な音色が入り乱れているが、それぞれの楽器の音が美しく、濁らない。透明に爆発していく。興奮した。

 ヴァイグレはドイツ音楽の巨匠だと思っていたが、フランス音楽も素晴らしかった。そして、もともと好きな作曲家なのだが、改めてサン=サーンスの凄みも知った。満足だった。

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