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マリオッティ&東響 ロッシーニの「スターバト・マーテル」に興奮した!

 202568日、サントリーホールで東京交響楽団定期公演を聴いた。指揮はミケーレ・マリオッティ。曲目は前半にモーツァルトの交響曲第25番、後半にロッシーニの「スターバト・マーテル」。素晴らしい演奏! とりわけ、「スターバト・マーテル」は凄かった! 興奮した!

 モーツァルトの交響曲第25番は冒頭から勢いがあり、細かいニュアンスにあふれている。まさにモーツァルトの短調! 悲劇的ではあるが、躍動し、疾走する。第2楽章、第3楽章も管楽器の重なりが見事。東響のメンバーも素晴らしい。

「スターバト・マーテル」はもっとすごかった。この曲で歌われる、親しみやすく、かなり俗っぽいメロディでありながらも、まるで童心に戻ったかのような信仰心。それがきびきびとしてリズムと明確な音の重なりによって、ニュアンス豊かに歌われ、ドラマティックに盛り上がっていく。そうして、しなやかで躍動的なロッシーニの心が広がっていく。

 独唱陣はこれ以上は考えられないほどの歌手たちだった。ソプラノのハスミック・トロシャンは劇的で強い美声。第8曲のアリアの悲劇性は比類なかった。メゾ・ソプラノのダニエラ・バルチェローナも相変わらずの強い声で見事に歌う。テノールのマキシム・ミロノフ、バスのマルコ・ミミカともに、揺るぎのない明確な声で輝かしく、そして深く歌う。そして、特筆したいのは辻裕久合唱指揮による東響コーラスの合唱。ささやくような声から大きな声まで、完璧なハーモニーを聴かせてくれた。最後の15分くらい、私は感動に震えていた。

 最高の指揮と最高の独唱、そして大健闘のオーケストラと合唱。ロッシーニの「スターバト・マーテル」は好きな曲だが、これほどの感動を味わったのは初めてだった。

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コメント

樋口様もいらしてたんですね。私も行きました。すばらしい「スターバト・マーテル」だったと思います。昔話ですが、私が初めて「スターバト・マーテル」を聴いたのは1983年のザルツブルク音楽祭でした。今なら一度くらいCDを聴いてから行くと思いますが、そのときはぶっつけ本番でした。若武者ムーティが指揮するウィーン・フィルの重量級の演奏にびっくりしました。ジェシー・ノーマンその他の独唱陣も重量級でした。今度のマリオッティ指揮東響の方がロッシーニらしかったと思います。

投稿: Eno | 2025年6月 9日 (月) 19時08分

Eno 様
コメント、ありがとうございます。いらしていたんですね。ザルツブルク、ウィーン・フィル、ムーティ、ジェシー・ノーマンの「スターバト・マーテル」ですか! 1980年代の彼らの演奏! 重さが伝わってくるような気がします。しかし、それにしても今回のマリオッティ指揮東響の演奏、ドラマティックで、完成度が高く、心から感動しました。マリオッティにはたびたび来日してほしいものです。
ブログを毎回楽しみに読ませていただいております。迷っていたのですが、Eno 様のブログに触発されて、「ナターシャ」のチケットも購入しました。多和田葉子は好きな作家ですので、楽しみにしています。

投稿: 樋口裕一 | 2025年6月10日 (火) 17時18分

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