METライブビューイングアンコール「オリー伯爵」「チェネレントラ」
東劇のETライブビューイングアンコール上映「オリー伯爵」「チェネレントラ」をみた。「オリー伯爵」のライブビューイングをみるのは今回が初めて。指揮はマウリツィオ・ベニーニ、演出はバーレット・シャー。
2011年4月9日に上演されたもの。今から14年前。オリー伯爵役のフアン・ディエゴ。フローレスもアデル役のディアナ・ダムラウもイゾリエ役のジョイス・ディドナートも若い!! そして、きっとこのころがフローレスもディドナートももっとも充実していた時期だっただろう。フローレスの声の輝きにはうっとりしてしまう。そして、何よりもダムラウの声の美しさに圧倒される。三人ともフランス語歌唱が見事。とりわけ、ダムラウはフランス語だからこその優美さがあって、とても魅力的だと思った。フローレスは開演の25分前に子どもが生まれ、対面してきたばかりで前日から寝ていないと語っていたが、それにしても気迫あふれる歌だった。
ランボーを歌ったいるのは、近年大活躍のステファン・デグー。このころからしっかりと歌って見事。養育係のミケーレ・パルトゥージはもしかしたら少し不調なのかもしれない。声が十分に伸びない。
ベニーニの指揮も溌剌としていてとてもいい。シャーの演出はとてもおもしろい。笑い出したくなるところがたくさんある。
「チェネレントラ」は2014年5月10日上演されたもの。最初の上映時にみたが、あまりに素晴らしかったので、もう一度観たいと常々思っていた。念願がかなった。
指揮はファビオ・ルイージ、演出はチェーザレ・リエーヴィ。
幕間のインタビューで、デヴォラ・ヴォイトに尋ねられて、ルイージは、ロッシーニのクレシェンドのコツとして、「できるだけ抑制すること」と答えていたが、確かに序曲もストイックなまでに抑制している。その後、第一幕はずっと抑制気味。だが、そのためにしっかりした足取りで徐々に盛り上がり、生き生きしていくのがよくわかる。
チェネレントラのディドナートと王子のフローレスがあまりに素晴らしい。第2幕の二人のアリアはただもう圧倒され、感動し、わくわくし、最後にはあまりの凄さに半ば唖然とするしかない。最後のディドナートの歌には感動のあまり涙が出る!
ドン・マニフィコのアレッサンドロ・コルベッリもベテランぶりを発揮して、演技も歌も申し分なし。ダンディーニのピエトロ・スパニョーリもアリドーロのルカ・ピザローニも良い味を出している。二人の姉を歌う歌手も実にうまい。歌手陣に関して、これ以上は考えられない布陣だと思う。
まさに心躍り、目くるめくようなロッシーニの世界を堪能した。
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