運慶特別展をみた
東京国立博物館で運慶特別展をみた。興福寺北円堂に安置されている弥勒如来坐像、無著菩薩立像、世親菩薩立像のほか、かつて北円堂に安置されていた可能性の高い四天王立像(持国天・増長天・広目天・多聞天)を合わせた7体の国宝が展示されている。
寺院仏閣や仏像には関心を持ってはいるものの、もちろん私は仏教についても、仏像についてもさほどの知識はない。運慶についても、その凄さについて話には聞いているが、まとめて観たことはなかった。
7体だけとはいえ、今回、傑作とみなされているものをみられて、とても感銘を受けた。「感動した」と言いたいところだが、基礎知識のない私は、「感動した」というのもおこがましいと感じざるを得ない。
弥勒如来坐像も厳かでとてもよかったが、私は、おそらくは多くの人と同じように無著菩薩と世親菩薩像に惹かれた。二人の菩薩は4世紀にインドに実在した兄と弟だという。その二人の佇まいの存在感が圧倒的だと思った。きわめて人間的で、その人柄が伝わってくる。
無著菩薩のほうは、両手で経典の包みを抱え、穏やかで謙虚そうで衆生の悩みを共にしているかのような気配。その包み込む力が周囲にあふれている。まるで生きて静かに動き出しそう。世親菩薩のほうは、眼光鋭く、意志の力にあふれ、衆生を率いていくかのような迫力を持っている。こちらのほうも今にも動き出しそう。ともに袈裟の質感を含めてきわめてリアルでありながらも、まさに仏像の法力(という言葉でよいのかどうかわからないが)のようなものが像を覆っている。どのような手法なのかは私にはまったくわからないが、西洋のリアルな彫像とは異なるような気がする。そのリアルと抽象化の具合が驚異的だと思った。
四天王立像もよかった。無著、世親の像が「静」だとすると、こちらは「動」だろう。大きな動きの一瞬を切り取ったようなダイナミズムにあふれている。鬼の侵入を食い止めようとして戦っているのだろうか。誇張された顔の表情もとても魅力的だと思った。
これ以上の言葉を使うことができないのが残念。
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