沼尻&神奈川フィルのブルックナー第8番 よい演奏だったが、興奮はしなかった
2025年10月18日、みなとみらい大ホールで神奈川フィルハーモニー管弦楽団の定期演奏会を聴いた。指揮は沼尻竜典、曲目はブルックナーの交響曲第8番(Lノヴァーク版第2稿)。
このところの沼尻と神フィルの充実ぶりはすさまじい。ブル8はどんなにすごいことだろう!と思って出かけたのだった。もちろん、とてもよい演奏だったが、もっとすごい演奏を期待していた私としては、ちょっとだけ期待外れだった。
部分部分は感動に身を震わせた。小細工なしに、的確なテンポでじっくりと音楽を進めていく。そして、要所要所で大きく高揚する。だが、なんというのか、全体が大きな一つの物語を構成しないとでもいうべきか。じっくりじっくりと世界が形作られ、それが大きく飛躍し、爆発し、法悦へと至る・・・といった体験ができなかった。
私は素人なので、この感想にどのくらい普遍性があるのか、そして、なぜ私がそう感じたのか、よくわからない。オーケストラは、出がそろわなかったりといった小さなミスがあったような気がするが、それはあまり気にならなかった。ただオーケストラ全体が一つになって盛り上がっていくといった雰囲気も感じられなかった。盛り上がり、感動し、わーすごいと思っていると、それが長続きせず、興奮が冷めていくのを感じた。それの連続だった。
とはいえ、第3楽章のシンバルの後の高揚感、そして終楽章の最終部分の法悦は何とも言えない。ブルックナーの世界に心の底から浸ることができた。
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