湘南シティ合唱団「ロ短調ミサ曲」 しっかりとバッハの音楽が聴こえた!
2025年10月13日、茅ケ崎市民文化会館で湘南シティ合唱団第19回演奏会、バッハの「ロ短調ミサ曲」を聴いた。指揮は松井眞之、オーケストラは篠原英和をコンサートマスターとするマイスター・シンフォニカ。
湘南シティ合唱団というのはアマチュアの市民合唱団だ。小学生時代からの友人がこの合唱団で歌っているので、チケットをもらった。私はアマチュアの団体の演奏にはあまり関心を持たないのだが、小学生のころ、同時期にクラシック音楽を好きになり、レコードを貸しあって成長してきた友人がバッハを歌うというのが、なぜかとてもうれしくて、喜んで聴きに行った。彼は私と違って運動神経もよく、手先も器用、楽器もうまく、歌もうまく、勉強もできた! なんだか、何をしても下手な私の分も歌ってくれているような気がしたのだった。
合唱団は総勢150名ほど。かなり高齢の方が多いと思う。後方の席だったのでよくわからなかったが、少なくとも男性は大半が70歳を超えており、80歳を過ぎた方もかなりおられるように見えた。
合唱はプロに比べると確かに精度がよくない。音程が甘いので、ぼやけて聴こえるし、美しいハーモニーを作り出さない。初めのうち、合唱団の歌を聴くうち、船酔いに似た感覚を覚えた。合唱団の力量に合わせて指揮をしているのだろう、テンポが遅く、初めのうちはまさに安全運転。だが、徐々に合唱団も声が出るようになってきた。バッハの音楽になってきた! 後半はとてもよかった。
オーケストラは臨時編成のプロ集団だろう。見事な演奏。独唱陣も阿久津麻美、鈴木美登里、布施奈緒子、谷口洋介、浦野智行という名の知れた面々。私は特に布施奈緒子と谷口洋介の歌唱に惹かれた。
本当にバッハの音楽がしっかりと聴こえてくる! きっとバッハの時代の初演はこのようなものだったのではないか。バッハの時代の合唱団は信仰心を持って真摯に歌っていただろうが、それと同じくらいこの合唱団の人たちは必死に音楽に取り組んでいる。その真摯さが伝わってくる。観客も、ちょっとプログラムをめくる音がうるさかったり、補聴器のハウリングが少しの時間聞こえたりしたが、居眠りすることなく真摯に耳を傾けている。
さすが湘南。さすが文化の地だと思った。この合唱団はこれまでモーツァルトやフォーレにレクイエム、バッハのマタイ受難曲やヨハネ受難曲を演奏しているらしい。おそれいった!
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