BCJのカンタータ演奏 最高の演奏!
2025年10月19日、東京オペラシティコンサートホールで、バッハ・コレギウム・ジャパン「コラールカンタータ300年プロジェクト⑧」を聴いた。指揮とオルガン独奏は鈴木優人。2024年から25年にかけて作曲された40曲すべてのカンタータを演奏しようというプロジェクトの第8回だ。
曲目は、すべてJ.S.バッハ。まずはオルガンによる《ああいかに儚き、いかに虚しきものよ》BWV 644 、《装いせよ、おお愛する魂よ》BWV 654。そして、カンタータ第26番《ああいかに儚き、いかに虚しきものよ》BWV 26、カンタータ第121番《キリストを誉め讃えよう、喜ばしく》BWV 121、カンタータ第139番《幸いなるかな、神に身を委ねる者》BWV 139、カンタータ第180番《装いせよ、おお愛する魂よ》BWV 180。
フィンランドから帰ったばかりの鈴木雅明さんと鈴木優人さんのお二人のプレトークのおかげで基礎知識を与えられて、とてもありがたかった。聴きどころがわかった。
オルガン曲については、私が鍵盤楽器が苦手なこともあって、よくわからなかった。ピアノも苦手なのだが、どうもオルガンはもっと苦手だ。とても恥ずかしいのだが、これまでオルガン曲で感動したことが一度もない。
カンタータについてももちろんあまりなじんでいない。わがやにはバッハのカンタータ全集のCDはあるが、おそらく10枚くらいしか聴いていない。今回の演目も私は聴いたことがなかったと思う。が、確かにおもしろい。私はよきバッハの聴き手ではないので、素人の聴き方しかできないが、信仰心が伝わり、バロック時代の技法の見事さを堪能できる。
それにしても演奏の見事なこと! もちろん以前からバッハ・コレギウム・ジャパンの実力のほどは知っていたが、これほどまでの充実とは! 少し前まで、「バッハ・コレギウム・ジャパンは世界に通用する」だったが、今では、世界のトップレベルのバッハを聴かせてくれるといって間違いない。
オーケストラのすべてのメンバーがまさに名手! そして、合唱も素晴らしく、独唱者もこの以上は考えられないほどの歌唱を聴かせてくれる。テノールの吉田志門は音程の良い美声でこの上なく安定したバッハの世界を作り出す。アルトの久保法之は、レチタティーヴォだけでアリアがないのがちょっと残念だが、これまた見事な歌唱。バスの加耒徹、ソプラノのクリステン・ウィットマーもバッハのカンタータにふさわしい声と歌いまわしで聖書の世界を作り出す。
バッハのカンタータに不慣れな私もこの世界に入り込んで、深く感動した。これ以上に充実したカンタータの演奏は考えられない、最高の演奏だと思った。ただ、繰り返すが、何しろこの世界に疎いので、これ以上のことは言えない。もっとカンタータを聴きたいと強く思った。
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