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ヴィジョン弦楽四重奏団 ノリノリの弦楽四重奏団だった!

 2025114日、横浜市鶴見区民文化センター、サルビアホールで、ヴィジョン弦楽四重奏団の演奏を聴いた。曲目はウェーベルンの弦楽四重奏のための緩徐楽章とブラームスの弦楽四重奏曲第1番、後半にグリーグの弦楽四重奏曲作品27。サルビアホールは105席のまさに贅沢な空間。

 この四重奏団を聴くのは初めてだったと思う。2012年結成とのこと。4人ともドイツ人男性だと思うが、全員が黒髪で黒づくめの服装。奏でる音楽もかなり特異だと思った。

 一言でいえば、高校生の部活のノリとでも言うか。4人ともかなり音圧が強い。そして、とてつもなく上手で、歯止めがないほどにノリまくる。ただ、4人ともまさに「仲間」なので、同じ表現をする。弦楽四重奏で同じような音色なのはとても良いことだと思うのだが、音色だけでなく、同じノリで弾きまくるので、ちょっと単調になる。ロマンティックな楽想の後にアクセントが強く、音圧の強い音で激しく弾く、そんな表現が繰り返される。

 そして、舞踊的な箇所になると、いっそうノリノリになる。クラシック音楽っぽくないノリとでもいうか。それはそれで楽しいのだが、ちょっとガサツな気がする。

 当初の発表では、前半にグリーグ、後半にブラームスが予定されていたが、後半にグリーグに変更された。きっとグリーグの弦楽四重奏曲の第3楽章、第4楽章の民族舞踊的な音楽を最後に演奏したかったのだろう。ノリの音楽!

 こんな四重奏団があっていいし、このような演奏を好む人も大勢いるだろう。が、私はちょっと苦手だなあと思った。先に述べたが、やはりどうしても同じタイプのノリが続く。舞踊的な部分は確かに素晴らしいが、もっとロマンティックだったり、やるせなかったり、英雄的であったり、官能的であったりする部分がブラームスにもグリーグにも、いや初期のウェーベルンにもあるはずなのに、それがうまくいかされない。

 アンコールは、ヴィジョン弦楽四重奏団作曲の「スペクトラム」より「サンバ」とのこと。最初から最後までピチカートのサンバ。舞踊を得意にしていることがよくわかる。よくこれほど鮮明でリズミカルな音をヴァイオリンやヴィオラやチェロで出せるものだと感心するような見事な音でまさにノリノリの音楽を聴かせてくれた。これはこういう曲だと思うので、私はこの曲がいちばん楽しめた。

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