紀尾井ホール室内管&ウォード 若々しい元気なブラームス
2025年11月22日、東京オペラシティ コンサートホールで紀尾井ホール室内管弦楽団定期演奏会を聴いた。指揮はダンカン・ウォード、曲目は前半にブリテンの歌劇「ピーター・グライムズ」〜4つの海の間奏曲、ヴィクトリア・ムローヴァが独走に加わってベルクのヴァイオリン協奏曲、後半にブラームスの交響曲第1番。
ブリテンの曲については、オペラは実演でも映像でもみたことがあったが、曲にほとんど覚えはなかった。が、とても良い曲だと思った。イギリス音楽は私には退屈なものが多いのだが、ブリテンはとてもおもしろい。
ベルクの協奏曲は、私にはちょっとちぐはぐな感じがした。もしかしたら、ムローヴァと指揮者のめざすところが異なっているのではないかと思った。もっと鮮烈にするのか、ロマンティックあるいは悲痛にするのか、方向が定まっていない感じがした。ムローヴァのヴァイオリンについては、第2楽章に鮮烈な盛り上がりを聴かせてくれたが、そこもオーケストラがついて言っているようには思えなかった。
そのせいか、ソリスト・アンコールのバッハのパルティータ第3番のサラバンドも、なんだかムローヴァらしい切れがなく、テンポにムラがあって、私にはよく理解できなかった。少々残念。
後半のブラームスについては、ウォードの本領発揮といったところだろう。若々しい演奏で、エネルギーにあふれている。音楽に勢いをつけるテクニックは見事だと思った。ただ勢いに任せて突っ走る傾向があり、形式感が乱れたり、細かいところで雑になったりしているのを感じた。それを含めて、この若い指揮者の魅力だと思う。とりわけ、第3楽章から勢いが出てきて、最終楽章はどんどんテンポが速くなり、激しく高揚した。もう少し若い頃の私だったら熱狂したかもしれないが、老年の私としては、「おいおい、そんなに慌ててどこに行くんだい」と言いたくなった。
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