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東京二期会「ファウストの劫罰」 素晴らしい演奏だが、フランス語が気になった

 2025年12月13日、東京芸術劇場 コンサートホールで東京二期会コンチェルタンテ・シリーズ ベルリオーズ「ファウストの劫罰」(演奏会形式)を聴いた。指揮はマキシム・パスカル、管弦楽は読売日本交響楽団、ファウストは宮里直樹、メフィストフェレスは北川辰彦、マルガリートは小泉詠子、ブランデルは加藤宏隆。合唱は三澤洋史合唱指揮による二期会合唱団。

 私の記憶が正しければ、この曲の実演を聴くのは今回が初めてだと思う。CD、DVDでは何度か聴いている(アンネ・ゾフィー・フォン・オッターがマルガリートを歌っているショルティ指揮の昔の演奏のブルーレイがあると知って購入したが、60分を過ぎたところから先に進まなくなって、現在、交換申請中)。ストーリーの整合性には疑問を持つが、音楽としてはおもしろいと思ってきた。

 そんなわけで、大いに期待して出かけたのだったが、期待通り、全体的にはとてもよい演奏だった。とりわけ、パスカルの指揮と読響の演奏にはほれぼれした。切れがよく、音の広がり、しかも、ぴしゃりと決まる。ベルリオーズらしいおどろおどろしさもあり、華やかさもあって、わくわくした。「ラコッツィ行進曲」や最後の地獄落ちの部分は大変な迫力だった。素晴らしい指揮者だと思った。

 歌手については、歌唱的にはみんな見事だと思った。まさに日本を代表する歌手たちだと思う。ただ、フランス語の発音は大いに気になった。以前、フランス文学を学んでおり、ひところ下手なりにフランス語をしゃべっていたために、どうしても私はフランス語の発音が気になる。マルガリートの小泉はきれいなフランス語だと思うのだが、ほかの歌手たちはどうもフランス語に聞こえなかった。

 背景、および壁面に映像が映し出された。映像の担当は上田大樹とのこと。雲が映されたり、ニュース映像やSNSのアイコンが映し出されたり。ストーリーを追うというよりは、イメージを増幅させるような映像といってよいだろう。何しろ作曲したのがベルリオーズであって、ある意味、何でもありの作曲家なので、私としてはこの映像に特に異論はない。面白く拝見した。

 ところで、聴きながら、ふと思った。私はそれなりの読書家で、とりわけ西洋文学については岩波文庫などでかなり読んできた。が、考えてみると、「ファウスト」は、高校生のころと大学院生のころだったか、二度ほど挑戦して、挫折している。ダンテの「神曲」とともに、難解すぎて読めずにいる大著だ。ネルヴァルの台本によるこの「ファウストの劫罰」が、ゲーテの「ファウスト」とどのように違うのか、大いに気になった。が、これは今後の宿題にしておこう。

 ともあれ、ベルリオーズの音楽はとてもおもしろかった。底知れぬ魅力のある作曲家だと改めて思った。

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