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戸澤采紀&望月晶のグリーグに感動

 2025年12月17日、HAKUJUホールで戸澤采紀(ヴァイオリン)&望月晶(ピアノ)リクライニング・コンサート(夜の部)を聴いた。

 戸澤采紀については、以前から名前は聴いていたし、父上の演奏をずっと前から聴かせていただいていたので、大いに注目していた。そして、先日、カルテット・エーレン旗揚げ公演で第一ヴァイオリンを聴いてあっと驚き、今回のリサイタルをぜひ聴きたいと思ったのだった。期待通りのすばらしさだった。

 曲目は、ストラヴィンスキーのイタリア組曲とシベリウスの6つのフモレスケop.87より第1番と第2番。そして、グリーグのヴァイオリン・ソナタ第3番。

 ストラヴィンスキーの曲は、バレエ組曲「プルチネッラ」から抜粋してヴァイオリンとピアノ用に編曲したもの。戸澤のヴァイオリンは強い力で弾かれる(テヌートというのかな?)ので、力感にあふれて、若々しく躍動感がある。しかも、確かにコメディア・デッラルテっぽいひなびたおかしみもある。望月のピアノもきりりとした美しさでぴたりと寄り添う。シベリウスの2曲もおもしろかった。勢いがあって緩急がある。表現力が豊かというか。

 そして、何よりもすごかったのは、グリーグのソナタだった。この曲は、つい先日(12月7日)、ヤメン・サーディの演奏で聴いたばかりだったが、その感銘度の違いは驚くばかりだった。のっけから凄まじい集中力によってドラマティックの世界に導かれる。力感にあふれ、ダイナミックで情熱的。楽想によって音楽の表情が目まぐるしく変わっていくが、それがあまりに自然なので、まったく誇張を感じない。まさに情熱の爆発と言ってよいだろう。狂熱的までに情熱のほとばしる戸澤のヴァイオリンを望月の、情熱的でありながらもしっかりと地に着いたピアノが暴走を見事に食い止めているという感じ。

 私は何度かこの曲の名演奏を聴いた記憶があるが、今日聴いたのも飛び切りの名演奏の一つだった。

 アンコールはシベリウスの4つの小曲の「ロマンス」だとのこと。これもしっとりしながらも力にあふれている。とてもよかった。

 今日は昼間は加耒徹、夜は戸澤の素晴らしい演奏を聴いた。めったにない充実した一日だった。

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