ルスティオーニ&都響 色彩的な音の渦に興奮
2026年1月17日、東京芸術劇場コンサートホールで東京都交響楽団定期演奏会を聴いた。指揮はダニエーレ・ルスティオーニ。曲目は、前半にヴァイオリンのフランチェスカ・デゴを迎えて、ブラームス:ヴァイオリン協奏曲。後半にリムスキー=コルサコフの「スペイン奇想曲」とレスピーギの交響詩「ローマの祭」。
ルスティオーニという指揮者、私はロッシーニのオペラの映像で聴いて、とても良い指揮者だと思っていた。おおいに期待したのだったが、期待以上だと思った。
ブラームスの協奏曲は、おそらくデゴの解釈を尊重した演奏だったのだろう。後半とかなり演奏の雰囲気が異なった。デゴはルスティオーニの奥様とのこと。ここは家庭円満のために奥様を立てた演奏をしたのではないかと勘繰った。デゴのヴァイオリンの音は、細身で透明で本当に美しい。遅めのテンポで深い感情を静かに奏でる。ちょっと平板になりがちな面もあるが、静かで抒情的なところが素晴らしい。第1楽章は初めて聴くカデンツァだった。ティンパニが大活躍。第2楽章はとりわけ美しかった。オーケストラについては、第一楽章冒頭の弦の精妙な音や音の重ね方が独特で、要所要所をしっかりと締めるが、かなり抑え気味だった。第3楽章でそれまで抑えてきたオーケストラが高揚してきた。それまでおとなしかったデゴのヴァイオリンも高揚していった。素晴らしいと思った。
ソリストのアンコールはバッハの無伴奏パルティータ第2番のジーグ。少し草書風の演奏だったが、音の処理が美しいので、やや天上的な印象を与える。
後半は、前半抑えてきたオーケストラの力量を思いっきりぶつけたかのような演奏だった。まさに色彩の祭典とでもいうか。「スペイン奇想曲」は色とりどりの音が宙に舞い、花火のように爆発し、渦巻く。ルスティオーニの指揮はきわめてエネルギッシュで躍動的。しかも、しっかりとリムスキーコルサコフの親しみやすい旋律をくっきりと描き出す。
「ローマの祭」のほうは、それを輪をかけて色彩的でまさに音の花火が爆発する。都響の、豪華になり過ぎないしなやかな轟音が響き渡った。大きな音が渦巻き、躍動していく。オーケストラは乱れないし、音も濁らない。圧倒された。私は、レスピーギの曲をほとんど聴いたことがなかったが、これほどの音の祭典の音楽だったのか!と驚いた。まさに音響のアクロバットに興奮した。
ルスティオーニは1983年生まれというから42歳だろう。素晴らしい指揮者だと思った。これからが楽しみだ。
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