ヴァイグレ&読響 「スコットランド」に感動!
2026年1月24日、東京芸術劇場で土曜マチネーシリーズを聴いた。指揮はセバスティアン・ヴァイグレ、曲目は前半にエミーリエ・マイヤーの「ファウスト」序曲と、イザベル・ファウストがソリストに加わってシューマンのヴァイオリン協奏曲、後半にメンデルスゾーンの交響曲第3番「スコットランド」。
マイヤーはファニー・メンデルスゾーンやクララ・シューマンと同時代の女性作曲家だという。ファニーやクララの曲は、ある意味、とても女性的だと思うのだが、この曲は、ゲーテの「ファウスト」を題材にしているせいか、きわめて男性的な雰囲気がある。低弦が強く、ブラームスを思わせるような音の厚みとメロディの運びだ。初めて聴いたが、とてもおもしろい曲だった。
シューマンの協奏曲については、私はあまり感銘を受けなかった。私がこの曲をもともと好きではないせいかもしれない。ヨアヒムがこの曲の初演を断ったというのは有名な話だが、私はヨアヒムに共感する。第1楽章と第3楽章の執拗な繰り返しに私は苛立ってしまう。そんなわけで、ファウストのしなやかで内面をえぐるような熱演にもかかわらず、わが心はあまり反応せず。ファウストは好きなヴァイオリストなのだが・・・。
後半の「スコットランド」は素晴らしかった。
これまでに聴いたヴァイグレの演奏は、バランスがよく、しなやかで優美で繊細といった傾向が強かったが、「スコットランド」については、やや アグレッシブと言ってもよい演奏だった。低弦が強めに鳴り、金管も時に咆哮した。そこにクラリネットとファゴットを中心として木管楽器が憂いにあふれた音を出し、しばしばドラマティックに盛り上がった。しかし、そこはヴァイグレ。バランスがよく、大きなはみだしはなく、理性を失うことがない。それがメンデルスゾーンにふさわしい。古典的な均整を保ちつつ、深い人生への思いがにじむ。
とりわけ、第2楽章の内面に潜む躍動感に、私は特に感動した。若々しい生命感があふれ出す。終楽章の高揚も素晴らしかった。金管が大きく鳴り、いくぶん祝祭的な雰囲気を出す。私は何度か感動に震えた。改めて、「スコットランド」はとびっきりの名曲だと痛感した。
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