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女流義太夫を楽しんだ

 2026年1月25日、なかの芸能小劇場で、女流の義太夫節演奏会を聴いた。誘ってくれる方がおられて、近年、文楽や義太夫に関心を持ち始めている。まったくの初心者だが、それはそれで楽しんでいる。

 演目は「恋娘昔八丈」鈴ヶ森の段(浄瑠璃:竹本越里、三味線:鶴澤弥々)、「由良湊千軒長者」山別れの段 (浄瑠璃:竹本佳之助、三味線:鶴澤賀寿)、「傾城恋飛脚」新口村の段(浄瑠璃:竹本京之助、三味線:鶴澤津賀花)、「新版歌祭文」野崎村の段(浄瑠璃:竹本土佐子、三味線:鶴澤三寿々、ツレ:鶴澤三響)。

 義太夫を聴くのは3回目だったと思うが、やっと三味線に耳が行き始めた。これまでは太夫の語りにしか耳が届かなかった。専門的なことはまったくわからないので、どう語っていいかわからないのだが、三味線が、まさにオペラにおけるオーケストラのように、太夫の語りを彩り、そこにアクセントや陰影をつけ、言葉では表現し得ない心を描くのをいくぶん理解できるようになった。三味線に西洋音楽で言われるようなメロディがあるわけではなく、むしろワーグナーの楽劇(歌劇ではなく、楽劇)のオーケストラと同じように、音による意味空間を作り上げる。それをたった3本の弦で、しかも和音もなく、西洋的な意味での楽譜がないのにやってのける。驚くべきことだ。「新版歌祭文」の最後のほうで、三味線が2本になっていっそう重層的になり、西洋音楽で言われるような転調がたびたびなされて、圧巻だった。

 高校卒業以来(つまり、半世紀以上前から!)、いわゆる「古文」にまったく触れていない私に語りを聴きとれるわけではなく、たびたび配布された床本に目を落として確認しなければならないが、4つの演目のストーリーもおもしろかった。竹本京之助の張りのある声による人物のキャラクターの語り分けもよかったし、竹本土佐子の味のある語りも見事だった。

 ただ、日本芸能に対する教養がないので、しっかりと理解してみることができないのが悔しい・・・。

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