新国立劇場「リゴレット」 歌手陣はとてもよかった
2026年2月18日、新国立劇場で「リゴレット」をみた。指揮はダニエレ・カッレガーリ、演出はエミリオ・サージ。
歌手陣は充実していた。やはり、リゴレットのウラディーミル・ストヤノフが図抜けている。凄みのある低音で屈折したリゴレットを見事に歌う。第2幕の有名なアリアは、怒りの表現からしみじみした愛情の表現へと自然に移ってさすがだと思った。ジルダの中村恵理も安定した美声だったが、第1幕の有名なアリアはまだ十分に声が温まっていない様子だった。だんだん上り調子になっていった。マントヴァ公爵のローレンス・ブラウンリーは軽やかな美声がとてもいいのだが、少し声の威力に欠け、声の輝きが不足している気がする。
スパラフチーレの斉木健詞、マッダレーナの清水華澄、モンテローネ伯爵の友清崇、ジョヴァンナの谷口睦美、新国立劇場合唱団も主役たちに引けを取らない歌唱だった。
管弦楽は東京交響楽団でしっかりと音を出しており、とても良かったのだが、今日は初日ということもあって、歌手陣とぴたりと合っていないところもあったように思う。指揮のせいかもしれないが、フォルテの勢いのある所はともかく、弱音の部分が安全運転というのか、ただ音を合わせているだけと思われるようなところがあった。そんな部分にも表情がほしいだが、かなり平板になっていた。そんなわけで、せっかく歌手陣は健闘しているのに、私としてはあまり感動できなかった。
演出に関してはきわめて穏当。人物たちは、これまで「リゴレット」の舞台で何度も見てきたとおりの扮装で登場し、3つの幕、すべてを同じ装置を回転させて使用。3つの幕の関連性を示して、「呪い」というテーマを浮き彫りにしているが、あまり新鮮味があるとは言えなかった。
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