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新国立劇場オペラストゥディオ「ウィンザーの陽気な女房たち」 念願のオペラを楽しんだ

 2026年2月21日、新国立劇場中劇場で、新国立劇場オペラストゥディオ(オペラ研修所)2026春公演をみた。演目は、オットー・ニコライ作曲の「ウィンザーの陽気な女房たち」。もちろん、序曲だけは何度も聴いたことがあったが、私はこのオペラを初めて観た。かなり前から一度は観たいと思っていたので、念願かなった。新国立劇場オペラストゥディオが取り上げてくれたのはとてもありがたい。管弦楽は東京シティフィルハーモニック管弦楽団。

 シェークスピアの原作によるもので、基本的にヴェルディの「ファルスタッフ」(台本はボーイト)とほぼ同じストーリー。ただ登場人物の名前はファルスタッフ以外はかなり違う。ヴェルディのフォード氏にあたるのがフルート氏、メグにあたるのがライヒ夫人、ナンネッタにあたるのがアンナ。台本はやはりボーイトのものよりは冗長で面白みに欠ける。音楽はもちろんヴェルディとはかなり質に差があるのは感じざるを得ない。とはいえ、きれいなメロディは次々に出てくるし、親しみやすいアリアもある。第4幕の盛り上がりはとてもおもしろい。音楽的にもかなり躍動する。もう少し頻繁に取り上げられてしかるべきオペラだと思った。

 演奏はなかなかよかった。第一幕の初めのうちは、きっと若い研修生たちが中心なので緊張していたのだろう、十分に声が伸びず、オーケストラに押され気味だったが、だんだんとみんなの調子が上がってきた。

 特によかったのは、フルート氏の小野田佳祐とライヒ氏の大久保惇史だった。二人とも音程の良い強い声で見事に演じている。ファルスタッフの山田大智も太めの声でしっかり歌っていたのだが、もう少しおかしみがないと、喜劇が生きてこないと思った。

 フルート夫人の齋藤菜々子は堂々たる歌。ライヒ夫人の牧羽裕子もちょっと軽めの美声でよかった。フェントンの菅野敦、シュペールリヒの荏原孝弥、カーユス博士の駒田敏章も健闘、アンナの島袋萌香はきれいな声だが、ちょっと威力不足を感じた。

 指揮は森内剛。この人の名前は初めて知ったが、とてもいい指揮者だと思った。手堅くまとめているが、音が生き生きとしていて音楽を推進していく。

 演技指導・演出はカロリーネ・グルーバー。第一幕の舞台をスポーツジム?に設定しているようだが、私にはその理由がよくわからなかった。また、私の顔の認識能力不足に原因があるのだろうが、特に男性陣が同じような顔、同じような服装に見えて、途中まで区別がつかなかった。もう少し何とかならないものだろうか。

 念願の「ウィンザーの陽気な女房たち」をとても楽しむことができた。研修所の公演でこのレベルのオペラをみることができるのはとてもうれしい。

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コメント

私は翌日の公演に行きました。オペラ研修所の公演は歌手の皆さんが一生懸命で、本当に気持ちがいいですね。樋口様のおっしゃる通り、指揮の森内剛さんがアンサンブルをしっかりまとめていました。珍しいオペラを観ることができて、私も満足度の高い公演だったと思います。

投稿: Eno | 2026年2月23日 (月) 11時24分

Eno 様
コメントありがとうございます。
このところ、重なるコンサートがなくて寂しく思っておりました。ブログをとても興味深く拝見しました。
それにしても、研修生たちのレベルの高さ、そして、指揮の森内さんの手腕をとても頼もしく思いました。
これからも、ふだんあまり上演されない演目(「ユダヤの女」「低地」「ミニョン」など)を取り上げてくれると嬉しいなあ、などと勝手に考えています。

投稿: 樋口裕一 | 2026年2月24日 (火) 13時03分

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