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BCJ「マタイ受難曲」 とてもよい演奏だったが、少し物足りなかった

 2026年4月3日、サントリーホールでバッハ・コレギウム・ジャパンの演奏会を聴いた。曲目は、J.S.バッハの「マタイ受難曲」。指揮は鈴木優人。

 きわめて安定した演奏だと思う。完成度が高く、すべての楽器、独唱、合唱が見事。鈴木優人の指揮もあわてず騒がず、無意味に盛り上げるでなく、真摯にしっかりと展開していく。さすがの演奏。

 エヴァンゲリストの櫻田亮も美しい声でしなやかに、しかししっかりと歌う。素晴らしい。ソプラノの松井亜希、櫻井愛子、アルトのテリー・ウェイ、久保法之、テノールの鏡 貴之、バスのクリストフ・フィラー、ドミニク・ヴェルナー、いずれもきわめて安定している。

 ただ、すごく感動したかというと、そうでもなかった。みんな安定しているし、もちろん見事な演奏なのだが、ちょっと物足りなさを感じた。今、鈴木雅明をはじめ、近年のBCJの常連になっている独唱者の安川みく、加耒徹、吉田志門がオランダバッハ協会(NBS)のヨーロッパ公演に出演しているために、BCJに出演していない。そのせいかもしれない。独唱陣がぴしりと決まらない。独唱陣の声の質や歌い方がばらばらでまとまりを欠くのを感じた。オーケストラも内的な力が弱く、深い信仰心のようなものが聞き取れなかった。

 いや、もしかすると、先日、配信された、鈴木雅明の指揮によるオランダバッハ協会の「マタイ」があまりに感動的だったので、ついそれと比べてしまったのかもしれない。

 とてもよい演奏だけど、ほんの少し物足りない・・・。前日に聴いたドゥエニャスの演奏と同じような感想を抱いたのだった。

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