山下、小堀、池内 まさにベルカントの饗宴
2026年4月11日、浜離宮朝日ホールで、浜離宮ベルカント・シリーズ第3弾、山下裕賀&小堀勇介&池内響 with 矢野雄太を聴いた。
曲目は、ロッシーニの「ブルスキーノ氏」「アルジェのイタリア女」「アルミーダ」、ドニゼッティの「ラ・ファヴォリータ」、ベッリーニの「清教徒」から、アリアや二重唱、三重唱。前回に引き続き、今回も素晴らしかった!
冒頭の、「ブルスキーノ氏」の「お金はきっと払います」(小堀・池内)から全開、「アルジェのイタリア女」の山下の歌う「ひどい運命よ!」でいっぺんに最高潮にまで高まるテンション! ロッシーニの世界が展開する。5年ほど前まで、日本人がこれほどまでにロッシーニを歌えるようになるとは思ってもみなかった! 山下の張りのある美声によるダイナミックな歌、小堀の輝かしい高音、池内の余裕のある美声。いずれもホール中にビンビンと響き、まさにベルカント(美しい歌)の饗宴!
ドニゼッティの「ラ・ファヴォリータ」も、ロッシーニとは一味違う華やかな歌を聴かせてくれた。池内の歌う「来たれ、レオノーラ」に感服。深い美声により適度に感情移入されて歌われるのを私はとても心地よく聴くことができた。
ベッリーニの「清教徒」も、この作曲家特有の、凛として高貴な歌。私はベッリーニのオペラを聴くと、オーケストレーションの単調さに不満を覚えるのだが、ピアノ伴奏では、それを感じずに済むのはありがたい。
三人とも素晴らしく、ピアノの矢野雄太も見事に音楽をリードしていたが、私はとりわけ山下裕賀に感銘を受けた。「アルジェのイタリア女」もさることながら、最後の「アルミーダ」の「私は一体...あの人は逃げたのね!」も素晴らしかった。日本にもすごいメゾソプラノ歌手が誕生したものだと改めて思った。ちょっとバルトーリを思わせるような躍動感がある。私はこの人の歌を4回ほど聴いたことがあると思うが、ロッシーニのオペラ上演は観たことがない。ぜひ、みたいと思う。間違いなく、近いうちに機会があると思う。
実は、昨日、昼間は城宏憲&碇大知のデュオコンサート、夜は東京春音楽祭のバット・フィリップ&ジェイムズ・ベイリューのコンサートを聴く予定だったが、朝から胃痛と腹痛に襲われ、夕方まで寝込んでいた。ほぼ平常に戻ったものの、今日もまだ本調子ではないまま出かけたのだったが、ベルカントの饗宴を聴いて身体の細胞が元気になってきた。
アンコールはモーツァルトの6曲の三重奏曲より第6曲「ああ、なんと辛い瞬間が」とのこと。ベルカントの歌ではないが、しみじみと歌われ、これはこれでとてもよかった。
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