ラ・フォル・ジュルネ2026 2日目
ラ・フォル・ジュルネ2026の2日目、4本のコンサートを聴いた。簡単に感想を記す。
・トリオ・オウオン シューベルトのピアノ三重奏曲第2番
オリヴィエ・シャルリエ (ヴァイオリン)、ヤン・ソンウォン (チェロ)、エマニュエル・シュトロッセ (ピアノ)の3人のベテランによる味のある演奏! 息がぴったり合っており、晩年のシューベルトの悲劇的な情感にこもる曲を抒情的に、そして抑制的でありながらも情熱的に演奏。第2楽章の抒情がとりわけ素晴らしい。
・フランソワ=フレデリック・ギィ (指揮・ピアノ)&横浜シンフォニエッタ (オーケストラ)によるベートーヴェンのピアノ協奏曲第1番・第2番
昨日のギィの演奏が素晴らしかったので期待していたのだが。どういうわけか、今回の演奏はちょっとバタバタした感じだった。昨日はふくらみのある美音による地に足の着いた演奏だったのだが、今回は快速で、まるで切羽詰まったような演奏。若々しいエネルギーを示したかったのか、それとも、弾き振りにあまり慣れていないのか。横浜シンフォニエッタもギィの指揮とピアノについていくのに精いっぱいという感じがした。きっと十分なリハーサル時間が取れていないのだろうと思う。
・オリヴィエ・シャルリエ (ヴァイオリン)、アンヌ・ケフェレック (ピアノ)
モーツァルトのヴァイオリン・ソナタ第40番K.454、ベートーヴェンのヴァイオリン・ソナタ第5番「春」
最初の1音が鳴った時、独特の典雅で熟成した香りが広がるのを感じた。まさにフランスの香り! かぐわしいという言葉がぴったりくる。二人のそれぞれの音に味わいがある。シャルリエのヴァイオリンは細かいところまで神経の行き届いたニュアンス深い音。刻む音が独特で経験豊かな人間の人生観のようなものが伝わってくる。ケフェレックのピアノは重すぎず、静かな気品がある。
とはいえ、実をいうと、私はモーツァルトはちょっと退屈に感じた。特に第2楽章。曲のせいかもしれない。終楽章はとてもよかった。「春」は素晴らしかった。冒頭のメロディは抜けるように美しく、春の息吹が天にまで広がっていきそう。均整がとれており、しみじみと美しい。
・神尾真由子 (ヴァイオリン)、瀧本麻衣子 (ヴィオラ)、横坂源 (チェロ)、パク・ジェホン (ピアノ) ラドミローのピアノ三重奏曲 ホ長調「大河」、フォーレのピアノ四重奏曲第1番 。
ラドミローはフォーレの弟子筋のナント出身の作曲家だという。この作曲家の名前を初めて知った。「大河」は、川のせせらぎがロワール川になって海にそそぐまでを描いているという。フォーレとよく似た雰囲気の曲だと思った。とても魅力的な曲だ。
フォーレのピアノ四重奏曲は圧倒的に素晴らしい演奏だった。悲劇的でありながらも内省的で、心の内で煮えたぎる思いを、半ば諦めながら吐露する。神尾のヴァイオリンの強い音が何とも胸を打つ。瀧本のヴィオラ、横坂のチェロも深い思いを描き出す。パクのピアノが時に激しく訴えかける。私は何度か感動に震えた。
| 固定リンク
「音楽」カテゴリの記事
- 新国立劇場「イタリアのトルコ人」 演出の工夫に感心!(2026.10.07)
- カルテット・アマービレ&今井信子のブラームスの感動!(2026.10.06)
- 濱田芳通&アントネッロの「マタイ受難曲」 ドラマティックな人間ドラマ・群衆ドラマ!(2026.10.04)
- オペラ映像「ラ・ボエーム」「ナブッコ」「ドン・パスクヮーレ」「ばらの騎士」(2026.09.24)
- サーナ・テクセレの「メサイア」 加耒徹は指揮者としても素晴らしかった!(2026.09.22)

コメント