ネマニャ2日目 縦横無尽なプロコフィエフの無伴奏ソナタ
2026年6月26日、浜離宮朝日ホールでネマニャ・ラドゥロヴィチ ヴァイオリン・リサイタルの2日目を聴いた。ピアノ伴奏はステファニー・フォンタナローザ。曲目は前半にバルトークのルーマニア民俗舞曲とプロコフィエフのヴァイオリン・ソナタ第2番、後半に、チャイコフスキーの「なつかしい土地の思い出」、プロコフィエフの無伴奏ヴァイオリン・ソナタ ニ長調、サラサーテのツィゴイネルワイゼン。
昨日と同じ印象を持った。ネマニャのヴァイオリンは素晴らしい! 日本刀で紙をさっと切るような切っ先鋭い鮮明な音! そこにエネルギーがあふれ、情熱的な超絶技巧が加わる。時にテンポを緩めたり速めたりするが、絶妙の構成感によってしっかりと全体をまとめる。ハーモニスクの音が本当に美しい。躍動感も圧倒的!
ルーマニア民俗舞曲とツィゴイネルワイゼンについては、私は特に不満を抱かなかった。ピアノは大いに健闘していると思った。だが、プロコフィエフのソナタとチャイコフスキーの曲では、やはり私はピアノに不満を覚えた。プロコフィエフは昨日のフランクと同じように踏み込み不足を感じる。腰が引けているというか、遠慮がちというか。ヴィヴィッドに反応しない。チャイコフスキーについては、世界を作るのをヴァイオリンに任せきって、ピアノは特有の世界を作らない。ヴァイオリン以上に、音楽の独特の世界を作ってほしいのに、かなりそっけない。もう少し何とかならないか。少々もどかしさを感じた。
そんなわけで、私はプロコフィエフの無伴奏ソナタに最も感動した。これはもう本当にすごい。バッハの無伴奏のような祈りにも似た敬虔な雰囲気はまったくないが、縦横無尽な世界が広がる。それがネマニャの作る音楽にぴったりと合致している。スケールの大きなハチャメチャな雰囲気があるかと思うと、シリアスな雰囲気もあり、歌心もあり、諧謔的になり、遊び心、悪戯心が顔を出し、繊細にして大胆。恐れ知らずの英雄が心の大冒険をするような無伴奏ソナタだった。
アンコールは昨日と同じ「Over the Rainbow」、最後にお決まりのモンティの「チャルダッシュ」。ネマニャに、クレメルやカヴァコスのような本格派のヴァイオリニストの道を進んでほしいと密かに期待している私としては、このようなアンコールはあまりうれしくないのだが、素晴らしい演奏であることは間違いない。
予定を変更してサイン会が中止とのことだった。きっと明日の朝、神戸に移動するつもりだったのを、台風が来ているために、今晩中に神戸まで(あるいは、行けるところまで)行っておこうということだろう。無事に着いてほしい!
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