エベーヌ四重奏団のベートーヴェン7・13番 とてつもない大フーガ!
2026年6月16日、サントリーホール ブルーローズで、サントリー・チェンバー・ガーデン2026、エベーヌ四重奏団 ベートーヴェン・サイクルの最終日を聴いた。曲目は前半にベートーヴェンの弦楽四重奏曲第7番「ラズモフスキー第1番」、後半に第13番。
第7番の大楽章の途中、地震が起こって、ちょっとためらいがちになった(ヴィオラのマリー・シレムが少し音を緩めた感じだった)というハプニングはあったが、演奏は続いた。素晴らしい演奏! この曲、チェロが大活躍するが、岡本侑也がエベーヌの一員として見事に役割を果たしていることがよくわかる。すべての楽器が美しく重なり合い、時に火花が散り、躍動し、うねる。
後半の第13番はまさに圧巻! 第1楽章は濃密で躍動的。第2楽章のスケルツォは言葉をなくす凄さ。第5楽章カヴァティーナの後半の第一ヴァイオリンの溜息のような音。そして、大フーガの凄さときたら! とてつもない大フーガだった!
妖怪のような巨大な生命体が異世界から到来したかのよう! いや、「生命体」ではない。目に見えない得体のしれない「生命そのもの」とでもいうか。四人が必死になって妖怪のような生命そのものと闘っている。手なづけようとするが、手なづけられない。生命は生きてあばれだす。まさに生の闘い。いや、生の営み。それが目の前に繰り広げられたかのような演奏だった。しかも、それが精緻で鋭く、まさに生命そのもののような音によって繰り広げられる! 私は感服し、感動し、心を奪われ、呆然として音を聴くばかりだった。
終わった後、大喝采。スタンディング・オーベーションが起こった。私ももちろん立ち上がった。
地震のためにちょっとだけ乱れがあった第7番の第4楽章がもしかしたらアンコールとして演奏されるかな?と期待したのだったが、いやいや、この大フーガを聴いたら、これ以上は何もいらない。もう感動したまま黙って帰るしかない。
エベーヌ四重奏団のベートーヴェンを6日にわたって聴いた。濃密で緊張感にあふれる16曲を聴いて、実に疲れた。
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