エベーヌ四重奏団のベートーヴェン 第12番に感動した!
2026年6月9日、サントリーホール ブルーローズで、サントリー・チェンバー・ガーデン2026、エベーヌ四重奏団 ベートーヴェン・サイクルの初日を聴いた。曲目は前半にベートーヴェンの弦楽四重奏曲第5番、第4番、後半に第12番。凄まじい演奏だった!
私が初めてこの四重奏団を聴いたのは2006年のラ・フォル・ジュルネだったと思う。あまりの凄さに圧倒されたのを覚えている。その後も追いかけて聴いた。当時はメンバーも若くてまさに鮮烈だった。あれから20年。2024年からはメンバーも変わって、チェロの岡本侑也が加わった。確かにかつてほどの鮮烈さは薄れたと思う。が、相変わらず信じられないほどの音程の良さ、完璧なアンサンブル、そしてシャープで勢いのある音、まったく不自然なところのない躍動、きわめて理にかなった音楽の展開。私は今回もぐいぐいと音楽に引き込まれた。
第5番という、最も気負いのない伝統的で温和な曲から今回のチクルスを始めたのは、理由があるのだろう。きっとベートーヴェンが個性を築き、革新し、時代を超越していく様子を聴かせてくれるのだと思う。のびのびとした音楽。最終楽章は躍動感が素晴らしい。
第4番は打って変わって、ハ短調の鬱積する思いが煮えたぎるような音楽が展開していく。この表現も見事。とりわけ最終楽章は高揚する。第一ヴァイオリンのピエール・コロンベに、第5番の間はちょっと弓さばきに首をかしげたくなるところがあったが、第4番以降は、繊細にして精妙、そして時に強靭な美音を聴かせてくれた。
前半もよかったが、やはり後半の第12番は別格! 出だしから独特の音だと思った。もちろんこの曲の冒頭はそもそも独特なのだが、エベーヌ四重奏団が鳴らすと、シャープな厳かさになる。この音がこの曲全体を貫いている感じがした。第3楽章のリズムの躍動が圧倒的だった。魂が踊りたくなるような、不思議な躍動の音楽。そして、終楽章では、後期弦楽四重奏曲特有の突き抜けた境地を聴かせてくれる。研ぎ澄まされ、激しい音楽の中にあってどこか静謐な世界。うーん、すごい!
感動した。
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